まさかのこと ページ1
Aは両親ためにした借金を細々と返しているためきらびやかな生活はしていないが、そこそこ有名なスーパーのレジスタッフの社員としては評判が良く、元々はパートだったが社員になり、いつのまにか、全国規模で、新店ができると立ち上げスタッフの一人に入り一年から二年経つとまた新たな新店のスタッフになるという生活をしている。
めちゃくちゃ好きな人がいるわけじゃないがイケメンが広く好きな広く浅いオタクの彼女は、アニメやドラマや映画を映像サービスで視ながらお酒を飲むのが唯一の幸せである。
俳優だって、声優だって、ジャニーズだって、アーティストだってそこそこ詳しい。
韓流は全く興味ないけど。
誘わればライブも行くが頻繁に行けるほどは余裕のない生活なので、年に一度ぐらいで、ここ数年はジャニーズよりEXILEや三代目が所属するLDHさんに注目している。
上司にいい加減一つの店舗に落ち着きたいと言ったらまさかの東京の夜間責任者の話が来た。
芸能人の来客が多い深夜の2時までやっている店舗で、スタッフ教育が大変だからどうだと言われて、彼女は今、東京に住んでいる。
彼女が生まれ育った大阪や父親の実家のある名古屋よりは客層はいいし、色んな芸能人に遭遇できるのも楽しく、彼女はこの三月満足していた。
アラフォーでの深夜勤務は少し辛いが忙しい時以外は基本は固定シフトであるのも大きい。
彼女は17時半に出勤し深夜2時半に退社する。
ある日、レジに入ってると芸能人って感じの人がいた。
誰かはわからないがイケメンぽいなと思いながらレジを業務を滞りなく終わらせた。
数日後、またそのイケメンの接客をした。
アルバイトに聞いたら彼はあの岩ちゃんらしい。
三代目では山下健二郎が好きな彼女は少しワクワクしつつも持ち前のスキルで完璧な接客をしたはずだった。
定例の送り出しの挨拶したら「児島Aさんですよね。
お話したいことがあるので連絡ください」とメモを渡された。
えっなんで下の名前しってんの？
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作者名：エリー∞ | 作成日時：2023年3月4日 12時
