第83話 ページ41
貴方：「困ったわ。手を掴まれてると、テレポート出来ないじゃない。どうもこれはこっちの分が悪そうね。」
そう観念した様に小さく溜め息を吐くと棗君に暁君の知り得てる情報を話していく。
貴方：「とにかく彼は謎が多すぎる。アリスについても、テレポート意外に何か隠していると私は踏んでる。まぁこれは、あくまで私の予測の段階だけれどね…彼に関わるならくれぐれも気をつけて。」
そう心配な気持ちを密かに込め棗君に真剣な表情で話すと
棗：「ばーか！お前は人の心配より自分の心配してろ！最近のお前は何だか危なっかしくて見てられねぇんだよ。」
「お前の過去に一体何が有ったのか…何て俺は知らねぇし更々興味ねぇけどよ。お前が皆の事を大切に思う様に皆だって同じ気持ちなんだって事もっと自覚するんだな。」
そうぶっきらぼうながらに話す棗君の言葉から暖かくて優しい気持ちを受け取った私は
貴方：「ありがとう」
そう一言呟きその場を後にしたのだった。
貴方：「そこに隠れてるのは誰？姿を現して。」
寮へと戻る途中いきなり背後に寒気を感じ思わず足を止め振り返る。
暁：「気配を完全に消していたのに良く分かったね。ほんと君は育てがいのある子だ。」
そう私の方を見ながら楽しそうに話す暁君は
不敵な笑みを浮かべていた。
貴方：「私に一体何の様かしら？デートのお誘いなら間に合っているけれど？」
そうわざとらしく茶化してみると、暁君は私の背後から一瞬で目の前に移動すると
暁：「デートだよ♪勿論君に拒否権なんてないこの意味分かるよね？じゃあ行こうか♪」
そう低い声と冷やかな視線に捉えられた私は
静かに頷く事しか出来なかったのだった。
暁君との初任務は、思い出すのも嫌になる程で
アリス使用時の彼の視線は冷たく無機質で相手の感情を自分の意のままに操作し任務を淡々と遂行していく。
そんな冷酷非道な暁君の姿に自分の影を見ている様でゾッとした。私もこんな風に周りから見えているのだろうか。こんな無機質な姿に。
そしていずれ私も彼の様になってしまうのだろうか…。そんな漠然とした寂しさと不安な感情に襲われた私は、震える自分の掌を強く握り締めると新たな決意を心に刻んだのだった。
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かぴ(プロフ) - 舞さん» 舞様。応援コメントありがとうございます！これからも楽しんで頂ける様な作品作りをしていきます！コメントありがとうございましたm(__)m (2019年5月2日 22時) (
レス) id: e2ca91722a (このIDを非表示/違反報告)
舞 - 続き楽しみにしてます！ (2019年5月2日 14時) (レス) id: bf1b0cff62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秋桜 | 作成日時：2019年4月18日 23時
