検索窓
今日:6 hit、昨日:6 hit、合計:16,337 hit

ぜろー夢主ー ページ4

ここは、男の子の部屋。
男の子が、私の事を見つめている。

周りの様子からしてわかるのは、その事だけ。

私が誰なのかも、私が何をしていたのかも、“私”というものはなんなのかも、不明だった。



『私は、誰?』

部屋にある鏡を見つめて、私はそう言った。


?「君、僕の分身じゃなかったの?」


そう彼に言われて、その途端記憶が戻った。


そう、私はどこかで、誰かに向かって、そう言っていた。


“私は君の分身だ”と



『ああ、そうか。私は君の分身。』

この記憶を思い出した途端、忘れる様子もなく私の頭に焼き付いてきた。
他の記憶は忘れたままなのに。
でも鮮明に覚えているのは

『いつからこんなに大きな、思い出せない記憶があったか…。どうにも憶えてないのを一つ確かに憶えてるんです。でも、言われた時にはパッと思い出せる…』


どうにも憶えてない事しか、憶えてない。


苦しい。
何かをした。
という記憶だけが残っている。

“何か”をどうやっても思い出せない。



辛い。
思い出せば思い出そうとするほど忘れていく。



?「君は一体誰なの?どうして、ここから出てきたの?」


普通に抱く疑問であろう。
私はその質問に対して答えることは出来ない。



何故ならば憶えてないからだ。



『私の、存在は…君の分身。それだけしか憶えてない。どうしてここに来たかは………忘れたの。』


?「え?」


彼は私の言葉を聞いてそう発した。
当たり前、予想外の展開だから。




『もしかしたら、意味なくここに来たのかもしれない。でも、意味があったのかもしれない。どうやってこれたかも、知らない。この鏡に、どうして私が宿っていたかも、憶えてない。、私は君の分身、それしか解らない。』


私はだんだん悲しくなってきて、涙を流した。


私は、何も知らない。
彼だって何も知らない。




じゃあ、どうしよう。






?「ごめん、何だか問い詰めちゃって。原因が解るまで、ここに居ればいい。」


彼は、優しい瞳でそう言ってくれた。

『でも迷惑じゃ……』

?「1人よりかは、全然マシだよ。」

『…私、なんにも憶えてないけど、私の体って、人間と同じ構造だと思うの。食費だって


る「困ってるんですよね?なら、僕が助けます」


…え?』



彼は、優しく、暖かくそう言ってくれた。

?「大丈夫です。僕が必ず君の記憶を蘇らせます。」


私はその言葉で、どれだけ救われたか。

気が付いていたら、号泣していて抱きしめられていた。

に→←いち



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (30 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
68人がお気に入り
設定タグ:すとぷり , るぅと , 学パロ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ぎんちゃ - 小説、僕の好きなタイプにどハマりでした!すごく面白かったです!続編楽しみにしてまーす (2019年8月27日 15時) (レス) id: 0da634450a (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - 大体の推理合ってたw絶対的に終わらないって言うw面白かったです! (2019年7月3日 16時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
かぁのん(プロフ) - 鳥肌たちました…!!凄いですね!! (2019年6月23日 12時) (レス) id: 67ca86b12e (このIDを非表示/違反報告)
ののかれん - 続編作ってほしいです (2019年6月15日 2時) (レス) id: 5e57fb77ea (このIDを非表示/違反報告)
まめ(プロフ) - 続編作って欲しいです! (2019年6月14日 21時) (レス) id: 1c9b7051d4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:えりっきー | 作成日時:2019年5月4日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。