ぜろー夢主ー ページ4
ここは、男の子の部屋。
男の子が、私の事を見つめている。
周りの様子からしてわかるのは、その事だけ。
私が誰なのかも、私が何をしていたのかも、“私”というものはなんなのかも、不明だった。
『私は、誰?』
部屋にある鏡を見つめて、私はそう言った。
?「君、僕の分身じゃなかったの?」
そう彼に言われて、その途端記憶が戻った。
そう、私はどこかで、誰かに向かって、そう言っていた。
“私は君の分身だ”と
『ああ、そうか。私は君の分身。』
この記憶を思い出した途端、忘れる様子もなく私の頭に焼き付いてきた。
他の記憶は忘れたままなのに。
でも鮮明に覚えているのは
『いつからこんなに大きな、思い出せない記憶があったか…。どうにも憶えてないのを一つ確かに憶えてるんです。でも、言われた時にはパッと思い出せる…』
どうにも憶えてない事しか、憶えてない。
苦しい。
何かをした。
という記憶だけが残っている。
“何か”をどうやっても思い出せない。
辛い。
思い出せば思い出そうとするほど忘れていく。
?「君は一体誰なの?どうして、ここから出てきたの?」
普通に抱く疑問であろう。
私はその質問に対して答えることは出来ない。
何故ならば憶えてないからだ。
『私の、存在は…君の分身。それだけしか憶えてない。どうしてここに来たかは………忘れたの。』
?「え?」
彼は私の言葉を聞いてそう発した。
当たり前、予想外の展開だから。
『もしかしたら、意味なくここに来たのかもしれない。でも、意味があったのかもしれない。どうやってこれたかも、知らない。この鏡に、どうして私が宿っていたかも、憶えてない。、私は君の分身、それしか解らない。』
私はだんだん悲しくなってきて、涙を流した。
私は、何も知らない。
彼だって何も知らない。
じゃあ、どうしよう。
?「ごめん、何だか問い詰めちゃって。原因が解るまで、ここに居ればいい。」
彼は、優しい瞳でそう言ってくれた。
『でも迷惑じゃ……』
?「1人よりかは、全然マシだよ。」
『…私、なんにも憶えてないけど、私の体って、人間と同じ構造だと思うの。食費だって
る「困ってるんですよね?なら、僕が助けます」
…え?』
彼は、優しく、暖かくそう言ってくれた。
?「大丈夫です。僕が必ず君の記憶を蘇らせます。」
私はその言葉で、どれだけ救われたか。
気が付いていたら、号泣していて抱きしめられていた。
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ぎんちゃ - 小説、僕の好きなタイプにどハマりでした!すごく面白かったです!続編楽しみにしてまーす (2019年8月27日 15時) (レス) id: 0da634450a (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - 大体の推理合ってたw絶対的に終わらないって言うw面白かったです! (2019年7月3日 16時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
かぁのん(プロフ) - 鳥肌たちました…!!凄いですね!! (2019年6月23日 12時) (レス) id: 67ca86b12e (このIDを非表示/違反報告)
ののかれん - 続編作ってほしいです (2019年6月15日 2時) (レス) id: 5e57fb77ea (このIDを非表示/違反報告)
まめ(プロフ) - 続編作って欲しいです! (2019年6月14日 21時) (レス) id: 1c9b7051d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えりっきー | 作成日時:2019年5月4日 12時