ぜろ ページ2
るぅとside
鏡に映る顔は、明らかに僕の顔ではない。
整った、とても美しい顔。
女性の顔だ。
なんの冗談かと思い、目を擦ってみる。
だが、まだその顔は映っていた。
女性はキョトンとしている。
僕は不気味になって、
る「君は、誰?」
そう、聞いてしまった。
女の子は、少し驚いた顔をして、口を開けた。
僕とは違う動きをする鏡に映る“僕”は、ゆっくりとこう言った。
『……私は、誰、なんでしょ、う』
僕はその返答に首を傾げた。
最近疲れているのかもしれない。
寝不足かもしれない。
そうだ、これは夢だ。
そう言って、現実逃避をしようとした。
キョトンとしている彼女は、手を動かし、鏡に…というか、もう僕達にとってはただのガラスだ。
ガラスに触れた。
『私は、あなたの分身、で、す』
ゆっくりと口を動かしてどもりながら喋る彼女。
嘘かと思い、ピタ と彼女と手を合わせる。
そう思った途端
______ガラスの感触ではない、
何かが僕の指に触れた。これは、
る「肌の感触…?」
そう思って、口に出した。
そう言ったら彼女はニコッと笑い、
“こっち”に来た。
鏡を通り抜け、僕の部屋に来た。
僕はすぐさま
る「あなた、誰ですか?警察呼びますよ」
『私を通報しても、意味が無いですよ。』
不思議な笑みで彼女はこっちを見る。
る「なっ…!それはどう言う____
『私は、こちらの者じゃないですから』
は?」
少し、意味不明だ。
確かに、鏡から出てきた。
『私は、わ、私は…………』
だんだん語尾が下がっていく彼女。
ちゃんと僕達を映すようになった鏡を見つめて、彼女は言った。
『私は、誰?』
る「君、僕の分身じゃなかったの?」
さっき、そう言っていたから僕はそう答えた。
『ああ、そうか。私は君の分身。』
る「君さ、さっきからなんなんですか?忘れたり思い出しだり」
僕は少々怒り気味で言った。
『いつからこんなに大きな、思い出せない記憶があったか…。どうにも憶えてないのを一つ確かに…憶えてるんです。でも、言われた時にはパッと思い出せる…』
彼女はそう言った。
その目は、嘘をついていない。僕は、純粋な質問をした。
る「君は、一体誰なの?どうして、ここから出てきたの?」
『私の、存在は…君の分身。それだけしか覚えてない。どうしてここに来たかは………』
彼女ははゆっくりと語りだした。
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ぎんちゃ - 小説、僕の好きなタイプにどハマりでした!すごく面白かったです!続編楽しみにしてまーす (2019年8月27日 15時) (レス) id: 0da634450a (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - 大体の推理合ってたw絶対的に終わらないって言うw面白かったです! (2019年7月3日 16時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
かぁのん(プロフ) - 鳥肌たちました…!!凄いですね!! (2019年6月23日 12時) (レス) id: 67ca86b12e (このIDを非表示/違反報告)
ののかれん - 続編作ってほしいです (2019年6月15日 2時) (レス) id: 5e57fb77ea (このIDを非表示/違反報告)
まめ(プロフ) - 続編作って欲しいです! (2019年6月14日 21時) (レス) id: 1c9b7051d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えりっきー | 作成日時:2019年5月4日 12時