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降谷side
「突入しろぉ!!!」
「なに!どうなってるんだ!?」
僕があらん限りの声で叫ぶと、勢いよく扉が開き、数人の捜査官たちが駆け込んでくる
僕もいちばん近くにいたウォッカの銃を蹴り落とし、鳩尾に拳を叩きつける。崩れ落ちてきた巨体に手錠をかけた
「安藤…お前本当に…!!」
公安の1人がヴェスパーの方を見て苦しげにそう呟いた。仲間だと思っていた人物の裏切りに混乱する捜査官に向かって、ヴェスパーは躊躇わずに銃を撃った
「何が起きてるんすか!?」
ドタバタと幹部ではない奴らもどこからか姿を表した。次々に取り押さえていくが、まだまだ組織側の方の数が多かった
「クソッ!こっちへ来い!!」
『っ離してよ!』
Aの声が聞こえて、慌てて振り返るとヴェスパーがいつの間にかAの腕を引っ張って出口に向かっていた
「グズグズしてんじゃねぇ!!」
「Aから離れろ、ヴェスパー!!」
ヴェスパーに銃を構えて向かい合う。僕が銃を持っているにも関わらず、ヴェスパーは余裕そうに笑っていた
「バーボン、撃てるの?宮咲チャンがこんなに近くにいるのに、傷つけずに俺を撃てる?」
本来の僕なら、そんなこと容易いはずだ。でも、Aを傷つけると言われると、どうしても引き金が引けなかった
『零くん後ろ!』
「バーボン、貴様ぁ!!」
Aの声で振り返るとナイフを持った数人の男達がこちらに向かって走ってくるのが見えた。任務で何度か顔を合わせたことのある奴らだ
どうやら怒りの矛先はスパイだった僕に向いているらしい。数人を殴り飛ばすが、次々に数が増えていく
(流石に数が多いな…どう切抜ける…!?)
一刻も早くAの所に行きたいのに…そう思いながら拳を振るっていると、目の前に見知った後ろ姿が現れた
「降谷さん!ここは自分に任せてください!」
「あの女性は君の恋人なんだろ!?早く行け!」
現れたのは風見とアンドレ・キャメル。それから後に続くFBIの捜査官たち
「すまない、恩に着る!!」
既に2人は部屋の入口付近からいなくなっていた。廊下に出て左右を見渡しながら、いつでも風見と連絡が取れるようにイヤホンを付けていると、小さな影がこっちに走ってきた
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ゆず(プロフ) - はるさん» コメントありがとうございます!最終話までお楽しみ頂けるように頑張りますのでよろしくお願いします!! (2022年6月4日 22時) (レス) id: f7fb394352 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 見ててワクワクドキドキしてます!!今後の展開がとっても楽しみです!これからも頑張って下さい! (2022年5月31日 1時) (レス) @page2 id: f8ea42caba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2022年5月27日 7時