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心地よいエンジン音と揺れを奏でるRX-7に乗って、銀座の街を駆け抜ける。適当なところに車を停めて、目的の店に入った
恭しい態度の店員と話し合い、シンプルで、上品なデザインの物をラッピングしてもらった
「また、すぐ来ます」
「いつでもお待ちしております」
軽く頭を下げて店を出て、その足でスイーツ店に向かった。工藤邸で過ごしているというFBIの捜査官へ渡すため、焼き菓子のセットを購入した
そのまま真っ直ぐ工藤邸に向かい、中に通してもらう。広間には数十人のFBIと見られる男女が話に花を咲かせていた
「昨日の突入作戦、ご協力に感謝いたします。ささやかな物ではありますが、ぜひお召し上がりください。正式なお礼はまた後日させていただきます」
礼を述べると彼らは、なんて事ないさ、と豪快に笑った
今回、幸いなことに警察側も組織側も負傷者こそいても死者は出なかった
「降谷くん、Aさんの容態は?」
「意識は戻っていませんが、命に別状はありません。数日あれば目を覚ますと思います」
工藤夫妻は安心したように柔らかく微笑んだ
「今日、コナンくんは?」
「朝から隣の博士のところに行ってるわ。哀ちゃんと一緒にいると思うけど」
やはり、アポトキシンの解毒剤を作っているのだろうか…まあ今日会えないと言ってもいずれ彼の方から接近してくるだろう
「そうですか…ハロの面倒まで見ていただき、本当にありがとうございます」
「ハロちゃん、凄くいい子だったわ。今連れてくるわね」
パタパタと広間から出ていく有希子さんの後姿を見ながら、優作さんが僕にそっと声をかけてきた
「…お疲れ様、降谷くん」
周りの捜査官達に聞こえないようボソリと呟いたその言葉に、僕も小さく礼を返した
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ゆず(プロフ) - はるさん» コメントありがとうございます!最終話までお楽しみ頂けるように頑張りますのでよろしくお願いします!! (2022年6月4日 22時) (レス) id: f7fb394352 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 見ててワクワクドキドキしてます!!今後の展開がとっても楽しみです!これからも頑張って下さい! (2022年5月31日 1時) (レス) @page2 id: f8ea42caba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2022年5月27日 7時