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次の日、警察病院のベッドに横たわるAは未だに目を覚ましていなかった
頭を強く打った衝撃と、体中を殴られた怪我によって昏睡中だと医師からは説明を受けた
「…A、僕は聴取に行ってくるよ」
返事をしてくれないAに声をかけて、病室を後にする
僕自身の怪我は多少の火傷と擦り傷、それからガラスに飛び込んだ時に出来た傷だけだった。刺さったガラスは既に取り除かれたし、あとは治癒を待つだけ
人気がない廊下に僕の革靴の音だけが響いていた
聴取を終えた僕は、取調室の隣の部屋に置かれているベンチに腰掛けていた
隣には風見が座っていて、手にしている缶コーヒーは体温で少し温くなっていた
「あ、あの、降谷さん。ベルモットが言っていた事なんですけど…」
「Aの、両親の事か？」
二人の間に漂う気まずい空気を壊すように、風見が口を開く
「はい。宮咲さんのご実家は一般家庭だったんですよね。なぜ、組織に狙われる必要があったのか、自分にはわからないのですが…」
「Aの本当の両親は組織の研究所で働いていたらしい。研究の目的を知って、抜けようとした。
Aが引き取られた宮咲家はその2人と親交があったらしいから、何か情報を知っているとでも思ったんだろう。
そしてその宮咲夫妻と懇意にしていたベルモットは、Aを殺すことがどうしても出来なかった、という事らしいな。僕にも、正解はわからない。ただ、ベルモットは、親友の娘を殺せなかった、1人の人間だということは確かだな」
そうですか、と風見は呟いて、また狭い部屋に沈黙が流れた
「僕は少し用があるから、もう帰るよ」
僅かに残っていた缶コーヒーを一気に飲み干すと、僕は風見を置いて留置場を後にした
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ゆず(プロフ) - はるさん» コメントありがとうございます！最終話までお楽しみ頂けるように頑張りますのでよろしくお願いします！！ (2022年6月4日 22時) (
レス) id: f7fb394352 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 見ててワクワクドキドキしてます！！今後の展開がとっても楽しみです！これからも頑張って下さい！ (2022年5月31日 1時) (レス) @page2 id: f8ea42caba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず | 作成日時：2022年5月27日 7時
