検索窓
今日:21 hit、昨日:10 hit、合計:33,518 hit

101 ページ13

「理事官からの連絡です」



そう言って通話中の携帯を僕に差し出す風見。相手は黒田管理官だ。僕は緊張を抑えながらその携帯を手に取った



「はい、降谷です。ジン、ヴェスパー共に確保が完了しました」



「その場にいるのは降谷、風見、ジン、ヴェスパー、江戸川少年、それから宮咲Aで間違いないな?」



「はい」



「ベルモットはどこに行った?奴からも聞きたいことが山ほどある。何か手がかりはないのか?」



淡々とした口調で話してくる管理官だが、生憎こちらもベルモットの行方を知りたいと思っていた所だ



「申しわけありませんが、全く。ジンやヴェスパーも知らないそうで」



「ふむ…そうか、仕方ない事だ。とにかくそちらに救助ヘリを向かわせているから、それまでは何とか耐えろよ」



警視庁からここまでは車で15分程度。ヘリならもっと早く着けるだろう。この建物が崩れるまでに着いてくれると有難いんだがな…



「それから、ジンからこのビル内に組織の犯罪の証拠があったという情報を得ました。この爆発で萌えてしまったとは思いますが…」



「資料なら燃えていないわよ」



不意に後方、入口の方から聞き覚えのある女の声_ベルモットの声が聞こえた。壁にもたれかかって立つ彼女の服は煤が付いていて、手にはUSBメモリと数枚の紙を持っていた



「どういうつもりだベルモット!なぜわざわざ警察にそれを差し出す!?」



困惑して言葉につまる僕たちを他所に、拘束されたままヴェスパーが声を上げた



「あら、気づいてなかったの?最初から私は組織を裏切るつもりだった…そうよね?」



軽く首を傾げたベルモットは、何故かAの方を見てそう言った



どういう事だ?と、僕もAを見ると気まずそうにごめん、と呟いた



『彼女が、ベルモットが零くんを助けたいっていうのは知ってたんだけど、本当かどうか分からなかったし、もし嘘だったら零くんがスパイだってバレちゃうと思って…』



僕や風見の視線を責めていると感じたのか、語尾が弱々しくなりながらAが説明してくれた

102→←100



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (68 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
673人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆず(プロフ) - はるさん» コメントありがとうございます!最終話までお楽しみ頂けるように頑張りますのでよろしくお願いします!! (2022年6月4日 22時) (レス) id: f7fb394352 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 見ててワクワクドキドキしてます!!今後の展開がとっても楽しみです!これからも頑張って下さい! (2022年5月31日 1時) (レス) @page2 id: f8ea42caba (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ゆず | 作成日時:2022年5月27日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。