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「理事官からの連絡です」
そう言って通話中の携帯を僕に差し出す風見。相手は黒田管理官だ。僕は緊張を抑えながらその携帯を手に取った
「はい、降谷です。ジン、ヴェスパー共に確保が完了しました」
「その場にいるのは降谷、風見、ジン、ヴェスパー、江戸川少年、それから宮咲Aで間違いないな?」
「はい」
「ベルモットはどこに行った?奴からも聞きたいことが山ほどある。何か手がかりはないのか?」
淡々とした口調で話してくる管理官だが、生憎こちらもベルモットの行方を知りたいと思っていた所だ
「申しわけありませんが、全く。ジンやヴェスパーも知らないそうで」
「ふむ…そうか、仕方ない事だ。とにかくそちらに救助ヘリを向かわせているから、それまでは何とか耐えろよ」
警視庁からここまでは車で15分程度。ヘリならもっと早く着けるだろう。この建物が崩れるまでに着いてくれると有難いんだがな…
「それから、ジンからこのビル内に組織の犯罪の証拠があったという情報を得ました。この爆発で萌えてしまったとは思いますが…」
「資料なら燃えていないわよ」
不意に後方、入口の方から聞き覚えのある女の声_ベルモットの声が聞こえた。壁にもたれかかって立つ彼女の服は煤が付いていて、手にはUSBメモリと数枚の紙を持っていた
「どういうつもりだベルモット!なぜわざわざ警察にそれを差し出す!?」
困惑して言葉につまる僕たちを他所に、拘束されたままヴェスパーが声を上げた
「あら、気づいてなかったの?最初から私は組織を裏切るつもりだった…そうよね?」
軽く首を傾げたベルモットは、何故かAの方を見てそう言った
どういう事だ?と、僕もAを見ると気まずそうにごめん、と呟いた
『彼女が、ベルモットが零くんを助けたいっていうのは知ってたんだけど、本当かどうか分からなかったし、もし嘘だったら零くんがスパイだってバレちゃうと思って…』
僕や風見の視線を責めていると感じたのか、語尾が弱々しくなりながらAが説明してくれた
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ゆず(プロフ) - はるさん» コメントありがとうございます!最終話までお楽しみ頂けるように頑張りますのでよろしくお願いします!! (2022年6月4日 22時) (レス) id: f7fb394352 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 見ててワクワクドキドキしてます!!今後の展開がとっても楽しみです!これからも頑張って下さい! (2022年5月31日 1時) (レス) @page2 id: f8ea42caba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2022年5月27日 7時