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「A…!!」
ピュンっ!
駆け寄って抱きしめようとすると、サイレンサーの付いた銃でジンが僕たちの間を撃った
「勝手なことをするな。手を上げろ、そうだ…そのままゆっくり近づけ」
言われる通りにAにゆっくり近づいて隣に立つ
「ごめん、A。こんなボロボロにさせちゃって」
『大丈夫。何も言ってないよ』
鈴が鳴るように綺麗な声も掠れていた。すぐにでも抱きしめてやりたいのに、それすら出来ない自分にも腹が立った
上げたままの腕につけた時計を見る。12時55分。あと数分で風見たちがここに到着するだろう。それまでどうにかこの状況を持ちこたえなければならない
さて、どうするかと思案し始めた時、ドアの開く音と共にこの場にそぐわない気の抜けた声が聞こえた
「お疲れ様で〜す…って、俺が最後かよ。皆さん早いっすね」
「遅かったな、ヴェスパー。今からコイツらに最後の質問をする所だった…」
ドアに背を向けている僕からは姿を見ることは出来なかったが、その声は聞き覚えがあった
「ふーん、まだ粘ってたんだ宮咲チャン。諦めちゃえば楽に死ねるのにね」
目の前でAが顔を歪めたと同時にスマホのバイブが鳴った。ブーッブーッと2回。全員がこの近くに集まった整った合図だ
すぐ側のAには聞こえたらしく、微かに首を縦に振った
「君がバーボン?その姿では初めましてだよね」
目の前までやってきたその男は以前とは全く違うニヤニヤと気味の悪い笑みを浮かべていた
「その姿?何を言っているのかわかりませんね」
「いい加減にしなさいヴェスパー。まだバーボンが完全に鼠と決まった訳ではないのですから」
ラムがそう言うと不服そうにしながらもヴェスパーは1度僕から離れた
「単刀直入に行こうか…バーボン、貴様はノックか?」
「僕はノックじゃない。Aもこの組織とは無関係だ」
「フッまあいい…宮咲A。お前の隣の男は降谷零、安室透のどっちだ?」
『…安室透さんよ』
「さっさと吐いちまえよ。先に話した方には恋人が無惨に死んでいく所を見せてやる…」
「Aは関係ないと言っているだろう?」
ブーッともう一度バイブ。今度は1回だけ、つまり全員配置完了の合図
「仕方ないですね…ジン。殺してしまいなさい」
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ゆず(プロフ) - はるさん» コメントありがとうございます!最終話までお楽しみ頂けるように頑張りますのでよろしくお願いします!! (2022年6月4日 22時) (レス) id: f7fb394352 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 見ててワクワクドキドキしてます!!今後の展開がとっても楽しみです!これからも頑張って下さい! (2022年5月31日 1時) (レス) @page2 id: f8ea42caba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2022年5月27日 7時