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Aside
目が覚めるとまず聞こえてきたのは零くんとヒロくんの声だった
リビングのソファで眠ってしまったらしく、体には零くんのブランケットがかけられている
「ゼロ!そんなに火強くしたらダメだって!焦げちゃうだろ!」
「このくらいか?」
「ったく、貸して!」
手ぐしで髪を梳かしながらゆっくりと起き上がると、ヒロくんがフライパンを持った零くんの手元を覗き込んでいた
こんなふうに心の余裕があるのは、きっと2人がたくさん話を聞いてくれたから。昨日の夜、何を話したのかは正直よく覚えてないけど2人がずっと傍にいてくれたのはおぼえてる
(いま、何時だろう)
そう思って壁にかけられている時計を見ると、短針は既に9と10の間を示していた
『…9時!?』
思わず大きな声を出してしまった私の声に反応してキッチンから2人が駆け寄ってきてくれた
「おはよ、A!」
「なかなか起きないから心配してたけど、元気そうだな」
『2人とも、学校行かなきゃ!』
「1日くらい、大丈夫だよ。今日はゆっくりしよう?」
優しく私の頭を撫でながら微笑んだ零くん。釈然としないけど、2人に甘えたかった
2人はそれからもずっと、何事もなかったかのように接してくれた。心の傷もいつしか癒えて、学年が上がる頃にはすっかり元通りの生活を送っていた
…だから私は、忘れてしまっていたんだ。あの夜に会ったベルモットという女の人のことを
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ゆず(プロフ) - まーみんさん» コメントありがとうございます!そうなんですよね、なぜか数話消えてしまいまして…抜けているところを書き終わったら続きも書いていくので、気長にお待ち頂きたいです! (2022年2月11日 13時) (レス) id: f7fb394352 (このIDを非表示/違反報告)
まーみん(プロフ) - ページが飛んでるなと思いました。テスト頑張ってくださいね!応援しています!テスト期間が終わって落ち着いたら、更新も待ってますねー! (2022年2月11日 8時) (レス) @page36 id: c8f47d3f67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2021年11月27日 23時