36 ページ36
Aside
目が覚めると、目の前に褐色の肌が広がっていた
私の頭を撫でる心地よい刺激で直ぐに零くんだと気づく。昔から、寝る時は服を着ない彼。そのもう片腕は私の腰に回っていて身動きが取れなかった
「起こしちゃったか？」
頭上から零くんの声がする。腕が少し緩められ、モゾモゾと彼から少し離れるとやっと顔が見えた
「おはよう、A」
『零くん…おはよ…』
「眠いだろ？まだ寝てていいよ」
『今、何時？』
「まだ4時過ぎだよ。僕は朝ご飯の支度をしてくるから、出来たら起こすよ」
そう言って布団から抜け出そうとする零くんの腕をそっと掴んだ
『待って、起きる。一緒にご飯作ろ？』
「全く、君には敵わないな…」
そう言って苦笑いを浮かべた零くんが引っ張りあげて起こしてくれた
朝ごはんを食べ終え、2人でゆっくりと流れる時間を満喫していた
『今日はお仕事何時から？』
「家を7時前には出たいんだ。準備もあるから」
『じゃあ私はそれより前に出るね』
「ごめんな、ゆっくり出来なくて…」
なんて、申し訳なさそうに眉を下げて言うから首を横に振りながら答えた
『いいんだよ、一緒にいれるだけで』
「…ありがとう」
その時の零くんの顔は、嬉しそうで、寂しそうで、泣き出してしまいそうな表情を浮かべていた
『また今度ね、バイバイ零くん』
「うん…あ、待って」
ドアに右手をかけた瞬間、クイッと腕を引かれて零くんの方に体が向いた
驚いて顔を上げると、ちょっとだけカサついた彼の唇が私の唇にそっと触れる
あっという間に離れていったその温もりは、綺麗な弧を描いてイタズラに笑った
「行ってらっしゃい、A」
『〜〜〜っ！！行ってきます！！』
恥ずかしさから半ばヤケクソになりながら閉めたドアを1度だけ振り返って、私は自宅に向かった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 265人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆず(プロフ) - まーみんさん» コメントありがとうございます！そうなんですよね、なぜか数話消えてしまいまして…抜けているところを書き終わったら続きも書いていくので、気長にお待ち頂きたいです！ (2022年2月11日 13時) (
レス) id: f7fb394352 (このIDを非表示/違反報告)
まーみん(プロフ) - ページが飛んでるなと思いました。テスト頑張ってくださいね！応援しています！テスト期間が終わって落ち着いたら、更新も待ってますねー！ (2022年2月11日 8時) (レス) @page36 id: c8f47d3f67 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆず | 作成日時：2021年11月27日 23時
