神様なんて (ページ35)

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episode弍拾玖ページ35

時計の秒針が途方に暮れた私達の気も知らずに無情に鳴り響く

姫野先輩の煙草の匂いだけが部屋に広がる中、状況整理を試みる

アキ「状況を確認する…恐らく悪魔の仕業だ。階段をどれだけ昇っても降りても8階に着く。部屋や窓からは外に出られない」

「どうしてかエレベーターも使えないしね。デンジ君が天井登ってみても上も8階だったみたいだし…」

デ「パワーがさっきの悪魔殺しちまったからじゃねーのかぁ？」

パ「ﾑｯ…うぬが殺せと言ったんじゃ！」

デ「言ってねぇ!!」

アキ「力は悪魔が死ねば無くなるからそれは有り得ない」

姫「アキ君、肉片の反応は？」

アキ「それが全く反応が無くなりました」

「さっきの悪魔を囮にまんまと嵌められたってわけね…」

姫「こんなトリッキーな事してくる悪魔、初めてだね」

「実は初めてじゃないんですよ〜これが」

そう…この言ノ葉の悪魔と契約した時、彼奴は私に契約を持ち掛けた

態々夜叉が使えないように夜叉の携帯だけ圏外にさせて

目の前で大量の魔人と悪魔1匹に半ば脅されて打つ手がなく契約をした

「てな事があってね…まぁでもまだ悪魔の目的も分かっていないしその悪魔が何者かも分からないからしようのない事だけど…」

荒「でも俺達がここから帰ってこなかったら他のデビルハンターが助けに来てくれるんじゃ…」

姫「…そのデビルハンター達が私達みたいに嵌められない事を祈るしかないね」

姫野先輩は煙草を吹かしながら荒井君に正論を突きつける

夜叉が居れば何とかなりそうな気もしたけど…前みたいにこっちのスマホ圏外になってるし…

コ「私達全員ここで死んじゃうんだ、お腹ペコペコで死んじゃうんだ…」

荒「こコベニちゃん！気張れ！デビルハンターやって兄を大学に行かせたいんだろ!?」

コ「半分無理矢理なんです…優秀な兄だけは大学に行かせたいからって風俗かデビルハンターしか無かったんです…」

そう言って泣きじゃくりパワーちゃんが爆笑…見てくれは人間でもやっぱり悪魔なんだな

アキ「この部屋の時計…8時18分で止まってる…この8階だけ悪魔の力で時間が止まってる可能性があります

その場合、助けは来ないかもしれません」