神様なんて (ページ3)

今日:14 hit、昨日:1 hit、合計:34,893 hit

episode壱ページ3

またこの夢だ

早く目覚めないかなと僅かな意識と共に悲惨な悪夢を見る

「はぁ…派手に汚れたな……」

悪魔退治の仕事を果たし目の前には夜叉に斬られた悪魔

悪魔の返り血を少し浴びてしまった

「早く報告してシャワー浴びたい…」

彼「やっぱり!!君、鳳凰家の…！」

「………え」

公安に拾われ育てられ家族が亡くなった以来会わなかった婚約者と偶然にも再会した

あのころはまだ幼く、顔つきも姿も全く変わってしまったというのに

同じく成長した彼は私を見つけた

彼「そうかそうだよね、公安の仕事を…ね！これから食事に行かないか？勿論着替えて！」

「うん、嬉しい…まさか見つけてもらえるなんて思いもしなかったから…」

彼「よかった！」

「でもこれから上司に報告もあるから夜になっちゃうけど…」

彼「いつまでも待つよ！大丈夫！もう見つけたんだ、もう離さない！」

街中で抱き締められ大声言うから注目も集めた

私の表情も久しぶりに緩み頬を僅かに染めていたのを自覚するほど嬉しかった

「ありがとう…ここはまだ危ないから…はい連絡先。遅くても19時までには済むから連絡して欲し…」

彼「そうカそうだヨネKあんの死ごと」

「……」

彼「イツマでもまつ世!!!!!!もぅはなさないーヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒィィィィイイ!!!!!!!!!」

夢から覚め目が開き気づけば沢山の汗と涙でぐしゃぐしゃになっていた

アキ「A」

「…………アキ」

アキ「…夢見たんだろ」

隣で寝ていたであろうアキは汗と涙で酷くなっていた私をお構い無しに覆い被さるように包む

私に大丈夫か、なんの夢を見ていたかなんて、アキは聞かない

聞かない方が良いと彼なり優しさだ

アキ「朝食作るからシャワー浴びてこい」

「……ｺｸ」

その優しさに触れて彼を特別な存在だと認識してしまわないように

声を出さずに静かに頷きベットから離れた

そんな私を1番理解しているのは恐らくこの世で彼一人だろう

唯一友人、と呼べるアキだけど恋人未満

彼はマキマが好きで私もそれは理解しており、そしてこの関係も

お互い同意の上での関係だ

同じ4課で支え合う唯一失いたくない、幸せになって欲しい

ただそれだけなんだ