episode玖 ページ11
腰が…痛い…
隣を見ればツルピカなアキが満足気に眠っている
昨日の夜はアキを嫉妬させてしまったのか随分してやられた
「はぁ…アキって嫉妬するんだ…」
規則正しい寝息が聞こえるアキを残して1枚のスエットを着てキッチンに立つ
コップに1杯の水道水を注いでいるとデンジ君の部屋から物音がした
「おはようデンジ君。よく眠れた？」
デ「ね!?ねむ…ねむれ、た…(壁薄いっつーのにあの野郎…)」
「ん？もしかして聞こえちゃってた？」
デ「なななななにも？何も聞こえてないっ…//」
「ふ〜ん？…デンジ君可愛いよね。マキマさんが面白いって言う訳だ」
コップに注いだ水をデンジ君にあげてもう1つコップを食器棚から出して水道水をいれる
デ「…Aさんはあの野郎の事、どう思ってるんすか？」
「え、もしかして本当に惚れちゃった？」
デ「い、いや！その…Aさんちょー可愛いけどなんつーか…違和感っていうか…」
「……あぁ、そういう事ね。デンジ君意外とカンが効くんだね？」
デ「ちょっと気になっただけなんで別に話さなくても…」
一緒に住む上でこういう事はちゃんと話さないといけない
私も鬼じゃない、感情が邪魔な時もあるけど失くした訳じゃない
「私ね、お嬢様だったんだ…きっとデンジ君とは真逆の生活を送っていたくらいに…神様って意地悪でね、1回
家族は悪魔に殺されて同じ状況だったのに組んでいたバディは死んで再会した元婚約者と待ち合わせすれば魔人になってるし」
おもむろにそう話すとデンジ君は気まずそうに私と目を合わせない
「…まぁ、公安に生き残ってる古株デビルハンターってのは大体そんな暗い過去持ってるの、気にしないでね？」
デ「…そう、なんだ…なんか聞いてごめん…なんでデビルハンターに？」
「それは内緒、またいつか話してあげる♡」
そう言って再び部屋に戻ってアキの寝ている横に入る
人の気も知らないでぐっすりと眠っている整った顔立ちのアキ君の顔をじっと眺めていると愛しいと思ってしまう
「……もっと早く…出会ってたらきっとアキ君の事、ちゃんと好きになれたんだろうなぁ…」
アキ「…あいつになんか話したのか」
「およ、起きてた？まぁこれくらいはね」
それだけ話すとアキ君は私を抱き締めてもう一度目を閉じた
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作者名：エリンギ | 作成日時：2022年11月13日 9時
