神様なんて (ページ2)

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Prolog ページ2

幸せな家族だった

不景気が続く日本の中で裕福な暮らしをしていたのは間違いない

所謂、上級国民だ

大きな平屋の御屋敷に立派な庭園

従順で優秀な世話係達に優しい家族

公安のトップにもいた祖父はその座をデビルハンターだった父に譲り、母を嫁に貰い娘が産まれた

その娘は私…母も父も容姿端麗でその遺伝子を立派に受け継いだ

一人娘という事もあり愛情を一身に受け、それを嫌がらずに受け入れてきたのか

有名な難関校は首席で卒業、武芸も幾つか嗜み賢く逞しく育った

レールを引かれた人生を嫌がる人が多いけど、私はそんな事はなかった

家族は好きだし用意された人生は嫌いじゃなかった

だからといってそれで天狗になる訳でもなかったので友達にも恵まれていた

本当に幸せで悲しい事苦しい事なんて1つも無かった

このままずっと笑って過ごすんだと…あの頃は、あの惨劇が起こるまではそう思っていた

「父様、母様、爺様！見てください！」

父「もう帰ったのか」母「ふふっ、おかえりなさい」

祖父「そんなに慌ててどうしたのかね、品に欠けるじゃろうて」

「ﾊｯ申し訳ありません…」

祖父「良い良い、訳を聞かせてくれぬか？愛しい孫娘よ」

「！あのですねっ、今日っ、武芸の授業…で……？？？」

激しい銃声と共に笑っていた祖父と母は目の前から消えた

父「っ、A!!!無事か!?!?」

「……と…さま……？一体…」

銃の悪魔が現れた

悪魔の存在なんてその頃はよく知らなかったから何が起きたかなんて分からなかった

初めて嗅ぐ血の匂いと銃弾の火薬の匂い

頭の整理がつかず立ち尽くしていた私は言わずもがな狙われた

父「A!!くそっ、夜叉!!!!!!俺と我が家族の命を犠牲に、愛娘を守れ!!!!!」

夜叉【わかった】

目の前で夜叉が父とまだ少し息があった母と祖父を斬り殺し骨も残らず喰われ、私はその夜叉に守られ

銃の悪魔は去っていった

「……ははっ…」

夜叉【そのからくりが私(わっち)とお前を繋ぐ。お前が息絶える迄、守護してやろう。但し命令は3回まで…祖父と両親…屋敷に居た人間の価値だ】

「どうして…貴方は父様の悪魔なんでしょ…」

夜叉【私の所有者は鳳凰の血を引く者…血筋に感謝する事だな】