サイコパス〜彼女と罪と引き金と〜

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執行官 狡噛慎也

過去


時は三年前に遡る


「はじめまして。今日付けで
公安局刑事課一係配属になりました

涼蓮司Aです」

新しく配属された監視官

黒く長い髪
少し小柄な体
表情のないかお

それが俺の彼女の第一印象だった

飛び級でわずか18歳で
すべての職業の適性でS査定をもらい
訓練施設を首席で卒業のエリート

佐々山が
よくちょっかいを出してたな

宜野座の同期

もの静かなイメージが強かった


そんな彼女の能力を
はじめて見たのが

当時調査していた事件
「公安局広域重要事件102」

通称標本事件

その一つの現場を
見つけたのは…

彼女だった


突然上がったエリアストレス
そこでの暴動を取り押さえ
公安局に戻ろうとした時のことだった


「お手柄だな涼蓮司監視官」

「いえ…」

周辺エリアマップを見ながら
どこか上の空な顔をしていた

「心ここにあらずみたいな顔して
どうしたんだお嬢ちゃん」

とっつぁんの言葉に
彼女の口が動いた

「…ある」

「ある？」

「すみません、なにかがあります」

そう言って彼女は
ドミネーターを握りしめ走り出した

「お、おい！監視官！」

「あれ、Aちゃんどうしちゃったの？」

「佐々山、監視官についててくれ」

「面白そうだなおい」

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