サイコパス〜彼女と罪と引き金と〜

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監視官 常守朱

「どうしたんだそんな顔して」

狡噛さんに問われる

外の風に当たりながら
私はつっかかる
縢くんのことを話した

「あー…そういうことか」

煙草を吸いながら
狡噛さんはつぶやいた

「あまり気にするなよ」

「そのつもりだったんですけど…」

気になってしょうがない

「縢くん…
なんかあったんでしょうか…」

「そういうわけじゃない。
ただこのことにはあまり深入りするな」

なぜか警告される

「…え？」

「まあ監視官という立場だから
調べればすぐ出てくると思うけどな」

「あの…それは一体…」

空を眺めながら彼はつぶやく

「監視官がくる前…
もう1年立つかたたないかぐらいのときに
色々あってな」

一年前…？

キョトンとする
私を見て彼は少し笑う

「なにボケっとしてるんだ監視官」

「…？」

「せっかくヒントを教えてやったんだ。
調べてみたらどうだ？」

そう言って笑ったように
見えた狡噛さんの顔は


少し悲しそうな顔をしていた

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