サイコパス〜彼女と罪と引き金と〜

ファイル2 ページ2

監視官 常守朱


「うーん…」

パソコンに向かいながら
ついうなってしまった

「どうしたんだお嬢ちゃん
そんなうなっちまって」

「征陸さん…」

実は…なんて言い出せるわけもなく

「いえ、ただお腹がもたれてて」

「そういやー昨日縢の飯食ったらしいな。
お嬢ちゃん気をつけろ？太るぞ？」

笑いながら背を向ける征陸さん
征陸さんはここの仕事の大先輩


ここ公安局刑事課一係に
所属してから数ヶ月

シビュラシステムで
人間が管理される世界で

私常守朱は
罪を裁く仕事をしている

執行官という
仲間と共に




昨日の縢くんからの質問が
…つっかかる

かなり前にも同じことを
聞かれた記憶があったのだ

彼の瞳は私を見ているようで
まるでその後ろ

私じゃない誰かの姿を
探しているような瞳をしていた

私のはじめて見る表情をしていた

あの時は気にならなかったのに

今になって…


「監視官」

呼ばれて我に返る

「あ…狡噛さん、どうかしましたか？」

くいくいっと
手招きをする狡噛さん

狡噛さんも共に働く仲間
とても正義感の強い人

「少し外の空気を吸わないか」

ファイル3→←ファイル1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す