ファイナルミッション 2 ページ10
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そうしてこのお兄さんは体に掛けたギターを奏で始めると、何度も耳にしたイントロが宿舎に流れた。
どうせマイクの音量に負けるだろうとコーラスは早々に諦め手拍子役に徹する。
「皆さん起きて下さい！」
大音量が宿舎に響き渡っている筈なのに、私以外誰一人として廊下に現れない。皆耳栓でもして寝ているのだろうか。
痺れを切らしたのか、彼は歌うのをやめて起きるよう訴えかける。
漸く人影が現れたと思ったらその正体はまだ半分夢の中のパクハンビンで、その呆けた顔に思わず吹き出してしまった。重力に逆らって寝癖も盛大に付いている。
徐々に意識が覚醒したのか、このお兄さんの正体が分かるらしいハンビンは恐縮そうに握手を交わす。
お兄さんが各部屋に突撃しに行ったのを見計らって、私はハンビンに問いかけた。
「ハンビナ、あの方どなた？」
「Wanna Oneのキムジェファン先輩っていう...Aヒョン本当にそろそろ先輩たち覚えないとまじでやばいよ」
「ほー、ありがとう。ちなみにその髪の毛も人前に出るにはまじでやばいから今のうちに直してきたら？」
ハンビンの口調を真似して寝癖を指摘したら肩を強めに突かれ、そのまま彼は自室に戻っていった。
彼はああ言うけれど、皆の助けもあったおかげで、芸能人に疎い私はこの5ヶ月余り次々現れるアイドルの方々の名前を知らなくても乗り切ることができたのだ。
実のところあと2週間しか無いのだからもう覚えなくていいだろうと開き直っている。
「Aー、なんでお前だけしっかりキメてんだよずりーぞ」
謎のお兄さんもといキムジェファンに起こされたのか、ジョンウが気怠げな足取りでこちらに寄ってきた。
「おはよ、早く目が覚めちゃったから先に支度してたんだよね。でもジョンウヒョンもまだいい方じゃない？」
「急いで寝癖直したわ、起き抜けの姿なんて絶対カメラに映したくねーし」
それはジョンウに完全に同意だった。
しかし次々にエレベーター前に集まる練習生を見ていると、私たちのように支度を整えられたのは少数派だったらしい。
後頭部で爆発が起きたユジンの髪の毛を撫でながら、堪えきれない笑いを零した。
「Aヒョン今笑ったでしょ」
「んーん、気のせいだよ」
「嘘だ、許してあげるから今日俺のヘアセット手伝うの刑ね」
そんな刑罰初めて聞いたけれど、可愛い弟に言われてしまえば仕方ない。きっとこの後、ユジンの言われるがままに髪の毛を整えてあげる未来が見えた。
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ダリア(プロフ) - 更新ありがとうございます！ (3月14日 22時) (
レス) @page25 id: 942cc2825c (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - 続きが見たいです😭 (12月30日 14時) (レス) @page24 id: 5c6fd2a21e (このIDを非表示/違反報告)
無添加 - 感動してます、本当に更新されてる、、生きててよかった、、、です。 (9月26日 2時) (レス) id: 5066827cbd (このIDを非表示/違反報告)
すいみ(プロフ) - ダリアさん» こちらこそ嬉しいコメントありがとうございます💘この亀更新なのに待っていただけたなんて嬉し過ぎます😭あと少し、最後まで見守っててください✨ (9月17日 23時) (レス) id: 112579e6aa (このIDを非表示/違反報告)
ダリア(プロフ) - 更新ありがとうございます😭ずっと続きが気になっててほんとにありがとうございます😢😢 (9月11日 17時) (レス) id: 942cc2825c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すいみ | 作成日時：2023年6月16日 23時
