ファイナルミッション 1 ページ9
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何処かで物音がして目が覚めた。
何事かと思い部屋を見渡してみるが、マシューとスンオンは夢の中だ。時計を見ると、起きるにはまだ少し早いくらいの時間だった。
「...起きるか」
目覚めてしまったものは仕方ないと受け入れて、洗面台へと向かい軽く身支度をする。髪の毛を短くしてから寝癖というものに人生で初めて苦戦するようになり、男の子のセットの大変さを思い知った。
「こんなものかな」
髪の毛を切ってから早4ヶ月以上が過ぎようとしていた。初めは右も左も分からなかった髪の整え方も、今ではお手のものだ。
自分を偽ることを決めてから今まであっという間に感じていたが、積み重ねた日々は確かに存在していたことを実感した。
この合宿の初めなんて、今すぐにでもこの宿舎を去るつもりだったのに。思わず自虐的な笑いが溢れる。
多くの練習生と別れを告げた。
今までは脱落式の次の朝を迎える度、自分が残る事に対して葛藤が心の中を渦巻いていたのに、今日の私は随分あっけらかんとしていた。
大切な人達が悔し涙を流す姿は耐え難い辛さがあったし、ガランと空いたベッドを見ると寂しさが芽生える。
だけど、もう決めたのだ。もう私は自分の気持ちから目を背けない。
19位という順位は、神様が与えてくれた最後のチャンスだから。
「(次髪の毛伸ばせるのいつかな)」
順当にいけば、ファイナルの終わる2週間後。
だけどもし、万が一にも手違いが起きたら、数年後なのかもしれない。
まあ、そんなことないだろうけど。
にしても物音は鳴り止まない。音の発生位置からして、エレベーターホールで何やら作業をしているみたいだった。
もし撮影機材の設営に手間取っているのだったら手伝った方がいいだろうと思い、私は自室を出た。
しかし廊下を抜けてエレベーターホールに辿り着くと、物音の原因は予想に反したものだった。
「あれ」
「おー、おはよう。君早いね、まだ俺準備終わってないんだけど、ははっ」
私の予想を超えて、物音の発生源はこのギターを持った知らないお兄さんだった。マイクスタンドもセットしてあるし、もしかしたら今からここでリサイタルを始めるのかもしれない。
「えーと、何か手伝いましょうか？設営に苦戦されてるのかなって思って」
「そうだね...じゃあ君にはコーラスしてもらおうかな」
「え？」
本当にリサイタルを始める気だったらしい。
手伝うって、そういう事じゃ無いんだけどな。
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ダリア(プロフ) - 更新ありがとうございます！ (3月14日 22時) (
レス) @page25 id: 942cc2825c (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - 続きが見たいです😭 (12月30日 14時) (レス) @page24 id: 5c6fd2a21e (このIDを非表示/違反報告)
無添加 - 感動してます、本当に更新されてる、、生きててよかった、、、です。 (9月26日 2時) (レス) id: 5066827cbd (このIDを非表示/違反報告)
すいみ(プロフ) - ダリアさん» こちらこそ嬉しいコメントありがとうございます💘この亀更新なのに待っていただけたなんて嬉し過ぎます😭あと少し、最後まで見守っててください✨ (9月17日 23時) (レス) id: 112579e6aa (このIDを非表示/違反報告)
ダリア(プロフ) - 更新ありがとうございます😭ずっと続きが気になっててほんとにありがとうございます😢😢 (9月11日 17時) (レス) id: 942cc2825c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すいみ | 作成日時：2023年6月16日 23時
