Interlude -休暇期間- 12 ページ4
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バスキンで出会った年上の男性
ソウルから離れた街の広くて薄暗いスタジオ
明るく社交的な同年代のダンサーたち
そして、道路の向こうから見つめていた彼
忘れていた記憶が洪水のように溢れ出して、過去と今の情景が重なった。
そうだ、あの同い年の、あの男の子の名前って。
「結局、数ヶ月が過ぎて、季節を何度跨いでもその子に会うことは叶わなかった。
ソウルに住んでるって言ってたから、俺が練習生になってこっちに引っ越した時に期待はしたんだけど、こんな広い街の中で彼女を見つけることなんて出来なかった。
もう無理なんだろうなって、諦めるしか無かった。
だからあの時芽生えた気持ちには蓋をして、真っ直ぐ夢に向かって努力することにしたんだ。
俺がアイドルとしてデビューして有名になったとき、あの子の目に留まって何年か前の冬の日のことを思い出してくれないかな、なんて期待を胸に秘めて。
練習生の生活は楽しいことばかりじゃ無かった。だけど、彼女のことを思い出すと、あと少し頑張ってみようって、そう思えたんだ」
車が緩やかに停止した。
もう私のアパートの前に着いてしまったみたいだ。だけど、腰がシートに縫い付けられたみたいに、私は車から降りる気にはなれなかった。
ずっと前を向いていたハンビンは、ゆったりとこちらに顔を向けた。漸く、二人の視線がかち合う。
「あの日、合宿の最初の日、あの会場に足を踏み入れた時、運命ってあるのかもしれないって生きてて初めて思ったよ。
何でこの場にいるんだろう、なんて疑問は二の次で、長かった髪を切ってしまっても、衣装で雰囲気が変わっていても、自分自身を偽っていても、俺のことをなんて忘れてしまっていても、一目で俺は君があの時の彼女だって分かった。
...A、やっぱりあの日のことなんてもう覚えてない？」
私はぎこちなく首を左右に振った。
ハンビンは、ただじっとその様子を見つめている。
「天安の、ワッキングのスタジオだったよね。休日だったのに行事か何かが重なったとかで来てた子はスタジオの広さに対して少なかった。
練習中ずっと1人の子とだけ喋ってた。
あの時何の曲で踊ったかは覚えてないけど、練習の合間にその子がAll I Wanna Doのワンフレーズを口ずさんだのは覚えてる。声が、綺麗だったな。
そっか、私記憶力は悪くない筈なんだけど、雰囲気が変わってたから全然気が付かなかった」
私の言葉を聞いてハンビンは口元を綻ばせた。
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ダリア(プロフ) - 更新ありがとうございます！ (3月14日 22時) (
レス) @page25 id: 942cc2825c (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - 続きが見たいです😭 (12月30日 14時) (レス) @page24 id: 5c6fd2a21e (このIDを非表示/違反報告)
無添加 - 感動してます、本当に更新されてる、、生きててよかった、、、です。 (9月26日 2時) (レス) id: 5066827cbd (このIDを非表示/違反報告)
すいみ(プロフ) - ダリアさん» こちらこそ嬉しいコメントありがとうございます💘この亀更新なのに待っていただけたなんて嬉し過ぎます😭あと少し、最後まで見守っててください✨ (9月17日 23時) (レス) id: 112579e6aa (このIDを非表示/違反報告)
ダリア(プロフ) - 更新ありがとうございます😭ずっと続きが気になっててほんとにありがとうございます😢😢 (9月11日 17時) (レス) id: 942cc2825c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すいみ | 作成日時：2023年6月16日 23時
