ファイナルステージ 2 ページ24
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『昨日の夜ね、スタッフさんの準備室に忍び込んで充電されてたタブレット拝借したんだけどね』
『何してんの、怒られるよ』
『マシュー、本当に沢山のファンに愛されてるよ。SNSで色んな国の言葉でマシューに応援の言葉が溢れてた。良い言葉だけに目を向けると、どれだけの人があなたの後ろについているか分かるよ』
マシューは表情を変えなかった。けれど、私を見つめ返す瞳は真剣だった。
『だからね、大丈夫だよ』
根拠がないと言われてしまえばその通りだ。
けれど、どうしてか私はマシューが最後の9人に選ばれる未来が鮮明に見えていた。
花道を歩く彼の背中が、私の想像でなく現実になる確信を持っていた。
『大丈夫』
自然と両手に力が入って、強く彼の手を握りしめてしまった。
『貴方の味方がここにいることを知っていてね。世界で一番大切なマシュー、愛してるよ』
私の言葉では、マシューの不安を取り除くことなんてできないだろう。
だけど、伝えなければならない気がしていた。私のエゴだとしても、彼が一人ではないことを知らせたかった。
私が言い終えると、彼は首を折って顔を俯かせた。
はーっと深いため息を吐いて再び顔を上げた時には、ちょっと不満気で、だけどいつもの気力を取り戻した表情に戻っていた。
『そのさ、��愛してる��ってどういう意味？』
『えっ？どういうってどういう、』
『俺もね、Aのこと愛してるよ。だけどAのとは別だと思う』
『べ、別...？そんな何種類もある...？』
なぞなぞだろうか。
マシューの言葉の意味を理解しようとしても、私の頭で読み解くのは大学のテストよりも難しかった。
眉間に皺を寄せて首を傾げる私の様相は側から見たら面白かったに違いない。
『まーいいや。また今度ね』
そう言ってマシューは私の手を離さないで立ち上がるから、私もつられて腰を上げた。
繋がれたままの両手を見つめ、そのままマシューに視線を上げた。一段上に立つ彼は、いつもより大きく見えた。
『ありがとう、A』
『ううん、私は何もしてないよ』
『そんなことない。出会ってから今日までずっと。そして、これからも』
いつも見せてくれる太陽みたいな笑顔が眩しかった。
私の大好きなマシューの笑顔だ。
『行こう』
そう言って彼は両手を離した。こちらに背中を向け、一歩一歩確かな足取りで階段を登った。
その頼もしい後ろ姿を見たら、もう弟なんて言って可愛がっていられないように感じた。
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ダリア(プロフ) - 更新ありがとうございます！ (3月14日 22時) (
レス) @page25 id: 942cc2825c (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - 続きが見たいです😭 (12月30日 14時) (レス) @page24 id: 5c6fd2a21e (このIDを非表示/違反報告)
無添加 - 感動してます、本当に更新されてる、、生きててよかった、、、です。 (9月26日 2時) (レス) id: 5066827cbd (このIDを非表示/違反報告)
すいみ(プロフ) - ダリアさん» こちらこそ嬉しいコメントありがとうございます💘この亀更新なのに待っていただけたなんて嬉し過ぎます😭あと少し、最後まで見守っててください✨ (9月17日 23時) (レス) id: 112579e6aa (このIDを非表示/違反報告)
ダリア(プロフ) - 更新ありがとうございます😭ずっと続きが気になっててほんとにありがとうございます😢😢 (9月11日 17時) (レス) id: 942cc2825c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すいみ | 作成日時：2023年6月16日 23時
