ファイナルミッション 6 ページ14
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司会者の言葉を合図に、恐る恐る歩みを進めた。全員の練習生の視線がこちらに向いているように感じて、今までに無い緊張感を全身に浴びる。
まさか最後にこんな型破りなベネフィットがあると思わなかった。
今まで投票結果に基づいた順位に忠実に、順位が高い人がミッションを行う上で有利になるよう進められていたのに、この展開は異質なものだ。あのプロデューサーってば何を考えているんだろう。
どうせ押し出されるなら欲を出してやりたいパートを選ぼうと決心していたけれど、自分が押し出す側になるのならそんな選択をするのは躊躇ってしまう。
「(...残ったパートでいいかな)」
そんな考えが頭をよぎり、私はHot Summerのまだ誰にも選ばれていないパートに体を向けた。
「Aヒョン！」
ゴヌクの声が耳に入り、私は顔を上げる。
私の動きを見守る練習生の隙間から、ゴヌクが顔を出した。今の状況に不釣り合いな、面白がっているような表情を浮かべている。
私が彼へ顔を向けたのを認めると、ゴヌクは私が聞こえるように声を張り上げた。
「もう遠慮すんなって！誰も不満に思わねえから、最後くらい欲出して良いだろ」
ゴヌクの言葉に、目の前を覆っていた靄が晴れた気がした。
ゴヌクのあっけらかんとした様子とは対照的に、彼の隣のジュンヒョンは絞り出すようにして言葉を続ける。
「あー...Aヒョンなら押し出されても良いよ」
「ふふ、ジュンヒョナ、そんな苦しそうな顔で言わなくても」
「でも本当だよ、ヒョンがこのパートやりたかったら全然」
本当はパートを明け渡すなんて不本意に違いないだろうに、私に気を遣った言葉に自然と笑みが漏れた。
「ありがとう」と呟いて、私は体の向きを変える。もう足先は余ったパートへは向いていなかった。
床を見ていた時は気がつかなかったけれど顔を上げると皆の視線は鋭いものではなく、単に興味ありげに私の動向を見守っているもののように感じた。恐れるものなんて何もなかった私は、一歩一歩前へ踏み出す。
なんだ、最初からこうしていればよかったのに。
自分の気持ちに忠実になることは、怖いことじゃない。
歩みを止め、目の前の人物へ顔を上げる。お互いの視線が強く絡み合った。
「ハンビナ、ごめんね。僕にここのメインボーカルさせてください」
響めきと歓声のような声が私の周りを包んだ。
不敵な笑みを浮かべたハンビンは、追い出されると言うのに満足気な表情をしていた。
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ダリア(プロフ) - 更新ありがとうございます！ (3月14日 22時) (
レス) @page25 id: 942cc2825c (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - 続きが見たいです😭 (12月30日 14時) (レス) @page24 id: 5c6fd2a21e (このIDを非表示/違反報告)
無添加 - 感動してます、本当に更新されてる、、生きててよかった、、、です。 (9月26日 2時) (レス) id: 5066827cbd (このIDを非表示/違反報告)
すいみ(プロフ) - ダリアさん» こちらこそ嬉しいコメントありがとうございます💘この亀更新なのに待っていただけたなんて嬉し過ぎます😭あと少し、最後まで見守っててください✨ (9月17日 23時) (レス) id: 112579e6aa (このIDを非表示/違反報告)
ダリア(プロフ) - 更新ありがとうございます😭ずっと続きが気になっててほんとにありがとうございます😢😢 (9月11日 17時) (レス) id: 942cc2825c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すいみ | 作成日時：2023年6月16日 23時
