ファイナルミッション 5 ページ13
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分かっているのなら早く解放してくれ、なんてつい口に出しそうになって唇を噤む。
上下関係の厳しいこの国で、そんな軽率な口は聞けない。
綺麗にマスの中に収まった練習生たちを見遣ると、Hot SummerとJelly Popで残されたパートは一つずつだった。どちらもボーカルポジションで最もパートの長さが短いものだ。
きっとこの二つのうちのどちらかを選ぶこもになる。どちらを選ぼうか頭を悩ませていると、司会者が進行を続けた。
「先程僕が皆さんの宿舎に行って歌を歌いましたよね？」
彼の問いかけに、練習生らは行儀良く「はーい」と返事をする。
「あれ実は、起床ミッションだったんです」
朝の出来事の真相が告げられ、騒めきが部屋の中に広がった。
私は話かけられる相手が側に居ないので、ただ目を丸くして司会者を見つめることしかできない。あれは何のミッションだと言うのだろう。
「今朝一番早く起きた方は、パク・A練習生でしたね？今朝のミッション、一番早くに起きた練習生にはベネフィットがあります」
司会者の問いかけに「まさか」と言う声が上がる。かくいう私はまだ状況が掴めない。
あれだけでベネフィット？何の？
まさかもう一杯参鶏湯が食べられる代わりだったらどうしよう。私の胃にはもう入り切らないから、ゴヌクにあげるしかない。
怪訝な顔つきになっているであろう私に、司会者はアイドルらしい輝く笑顔で種明かしをした。
「それはなんと...ファイナルステージオリジナル曲のパート選択で、最後に好きなパートを選べるというベネフィットです」
「え？」
司会者がベネフィットの中身を説明するや否や、部屋中に歓声ともとれぬ練習生たちの興奮した声で溢れかえった。
当事者の私は置いてけぼりを喰らっていると言うのに、皆は偉い盛り上がりだ。
韓国語に不自由はない筈なのにベネフィットの内容を頭の中で噛み砕くのに必死だった私は、徐々に近付いてきた司会者に気が付かなかった。
カンペを目の前で振られて、漸く意識を取り戻した。
「A練習生ー、大丈夫ですか？魂抜けてますけど」
「いや、ちょっと予想外の展開で」
「ベネフィットの内容、驚きましたか？」
「あ、はい...てっきり2杯目の参鶏湯かと思って、お腹いっぱいだからどうしようって身構えてたので...」
私の返答を聞いた司会者は白い歯を出してひとしきり笑った後、皆がいる場所を指差した。
「ではパク・A練習生！最後にパートを選択して下さい」
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ダリア(プロフ) - 更新ありがとうございます！ (3月14日 22時) (
レス) @page25 id: 942cc2825c (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - 続きが見たいです😭 (12月30日 14時) (レス) @page24 id: 5c6fd2a21e (このIDを非表示/違反報告)
無添加 - 感動してます、本当に更新されてる、、生きててよかった、、、です。 (9月26日 2時) (レス) id: 5066827cbd (このIDを非表示/違反報告)
すいみ(プロフ) - ダリアさん» こちらこそ嬉しいコメントありがとうございます💘この亀更新なのに待っていただけたなんて嬉し過ぎます😭あと少し、最後まで見守っててください✨ (9月17日 23時) (レス) id: 112579e6aa (このIDを非表示/違反報告)
ダリア(プロフ) - 更新ありがとうございます😭ずっと続きが気になっててほんとにありがとうございます😢😢 (9月11日 17時) (レス) id: 942cc2825c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すいみ | 作成日時：2023年6月16日 23時
