Interlude -休暇期間- 9 ページ1
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「初恋の人は、君だよ。A」
お互いに視線を交えた時間は、永遠を思わせるほど長く感じた。
実際には10秒にも満たないだろう。
信号が青に変わったことに気がついたハンビンは、焦ることなくスムーズに車を発進させた。
平然とした様子のハンビンとは違って、私の頭は混乱したままだ。
「ど、どういうこと...？私たちこのオーディションが初対面なんじゃないの？」
「俺たちこの合宿が始まるずっと前に会ったことがあるんだよ、Aは俺のことなんて覚えてないと思うけど」
自虐的な言葉を投げかけたハンビンに思わず謝ると「気にしないで、今のは俺がちょっと意地悪だった」といつもの裏表を感じさせない笑顔に戻った。
状況を掴めない私は、ハンビンに視線を縫い付けられたかのように一瞬たりとも逸らすことができなかった。なのにハンビンはじっと前を向いていて、お互いの視線が交わらないのがもどかしい。
「少し、昔の話をするね」
対向車のライトに照らされたハンビンの横顔は、いつもよりずっと大人びて見えた。
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高校3年生の冬の、物凄く冷え込んだ日だったかな。
修学能力試験がやっと終わってダンススタジオに久しぶりに顔を出したとき、いつもスタジオにいたトレーナーの隣に知らない女の子がいたんだ。
キャップを目深に被って、顔全部覆ってしまえるんじゃないかってくらいサイズの合ってないマスクを付けてた。
その子はスタジオの他の子たちに積極的に話しかけられてたんだけど、俺には全く見覚えがなかった。そもそも顔が見えなかったんだけど、こんな雰囲気の子今までいなかったなって。
新しい生徒かなって思ってトレーナーに聞いたら、街のバスキンで会ったから連れてきたって言うんだ。
『あの子、めちゃくちゃ上手いんだよ』
ダンスのことになると厳しいトレーナーが、こんなに素直に人を褒めるところを見るのは新鮮だった。
彼女のダンスを見たいって言う人たちに応えて、フリースタイルを見せてくれる事になったから、俺は疑わしい目で彼女のことを見てた。
失礼だけど、俺は実のことを言うとトレーナーの言葉を信じられなかったんだ。
だってオーバーサイズのパーカーを羽織った彼女は、その分厚い生地からも分かるくらい華奢だったから。あんなに細いのに、ダンスを踊る筋力は何処にあるんだろうって思ったんだ。
でも、音楽が鳴り始めた時、トレーナーの言葉に納得した。
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ダリア(プロフ) - 更新ありがとうございます！ (3月14日 22時) (
レス) @page25 id: 942cc2825c (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - 続きが見たいです😭 (12月30日 14時) (レス) @page24 id: 5c6fd2a21e (このIDを非表示/違反報告)
無添加 - 感動してます、本当に更新されてる、、生きててよかった、、、です。 (9月26日 2時) (レス) id: 5066827cbd (このIDを非表示/違反報告)
すいみ(プロフ) - ダリアさん» こちらこそ嬉しいコメントありがとうございます💘この亀更新なのに待っていただけたなんて嬉し過ぎます😭あと少し、最後まで見守っててください✨ (9月17日 23時) (レス) id: 112579e6aa (このIDを非表示/違反報告)
ダリア(プロフ) - 更新ありがとうございます😭ずっと続きが気になっててほんとにありがとうございます😢😢 (9月11日 17時) (レス) id: 942cc2825c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すいみ | 作成日時：2023年6月16日 23時
