Please (not) Pick Me 3

アーティストバトル 2 ページ7

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ジョンヒョンを生贄にして私はそそくさと更衣室に向かって練習着に着替えた。

運の良いことに、私は宿舎でまだハンビンに出くわすことは無かった。出来ることなら暫くは喋る機会を持つことは避けたい。

練習着に着替え終わると、スタッフから指示のあった練習室に向かおうと部屋を出た。
きっと今日、アーティストバトルの選曲結果が発表されるのだろう。ハンビンと同じチームにならないことを祈るばかりだ。


途中で会ったジンシンとシュアイボに混ぜてもらい、言葉を交わしながら集合場所に向かう。


『Aヒョン何で中国語まで話せるの。俺韓国語全然上手くならないんだけど』


落ち込んだように唇を突き出すシュアイボにデジャヴを感じた。さっきのウンギに仕草がそっくりだ、やっぱり二人は似たものがある気がする。マインドの部分で。


『大丈夫だよ、シュアイボもそのうち慣れて上手くなるよ』


シュアイボを慰めながら部屋に入ると、もうほぼ全ての練習生が揃っているようだった。
前回の生存者発表式の順位で並ぶらしく、私は二人と分かれて自分の場所に足取りを早めた。

ハンビンはまだ来ていないのか、斜め前に座るマシューの左隣は空席だ。私は胸を撫で下ろし、両隣のリッキーとダウルに声を掛ける。


「Aヒョンはどの曲希望したの？」

「4番の曲だよ、リッキーは？」

「俺はOver meにした、4番だとダウルと一緒じゃない？」

「うん、俺もSay my nameに希望出したけど、人気だし落ちる気しかしてない...」

「え、4番人気なの？」


それは初耳だ。
4番のメンバーに選ばれたいけれど、希望者が多いならあまり期待しない方が良いかもしれない。そもそも視聴者の投票で決まるから私達に選択権は無いのだし。


「マシューヒョン、ジウンヒョン、ユジン、テレヒョンとか、定員より多そうだった。あとハンビニヒョンも選んでたかも」

「え」


つい嫌がるような声が出てしまい瞬時に口を手で塞いだ。私の妙な仕草にダウルは不思議そうに首を傾げる。
ダウルの言うハンビンは、ソンハンビンの方だろう。パクハンビンは1番か5番がやりたいって言ってたし。


「そっか...そうなのか...」

「で、でもAヒョン曲の雰囲気に合ってると思うし、そっちに選ばれるよきっと」

「あ、いやそれで落ち込んでるわけじゃなくて」


ハンビンと同じチームになるのが気まずいだけ、何てことはダウルに伝えられるはずもなく曖昧に笑っておくことにした。


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