アーティストバトル 26 ページ38
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今日のステージの私たちがこの曲のオリジナルになってしまう。そういう意味では今までとは異なるプレッシャーがあるみたいだ、ユジンはキリングパートも務めているし。
私はと言うと、未だに本番を迎える実感が無かった。いつも通り客席は見えないし、今からやるステージに心が入り込んでいない実感があった。
今までだと本番を迎える時には集中出来ていたのに、今日はその集中力も降りてこない。今度こそヨンジュン先生に怒られそうだ。
きっとこれが最後かも知れないのに。
そう考えると、この状態で舞台に上がるのは少し勿体無い気がしてしまう。
進行が滞りなく進み舞台に上がると、ステージ前の演出を予定した通りに終える。
そして決められたポジションに着こうと、不意に観客に目を向けた時だった。
「あ、」
私の声に反応したのかジウンがこちらを振り返ったのが見えた。けれど、私は客席から目が逸らせなかった。
白くぼやけた客席の一番後ろの方で飛び出して見えたスローガンには、見間違える筈もない名前が刻まれていたから。
��A 愛してる��
鮮やかな色を纏った一枚の紙は、3秒もしないうちに前にいた群衆の影に隠れてしまった。
もう一度目を凝らしてその文字列を探そうとしても、それは白飛びした空間の中に埋もれてしまった。
気のせいだったのかもしれない。
それでも、私の勘違いだったとしても、自分の心の片隅に初めての感情が芽生えるのを感じた。
最初の動線に従い、ジウンの後ろに並ぶと、その広い背中に視界は遮られた。
イヤモニの向こうからステージを待ち望む観客の声が聞こえ、私は目を伏せる。覚え込んだ振り付けは、目を瞑ったままでも踊れる気がした。
イントロが流れ出すと、耳に流れてくる音楽に負けないくらい観客の歓声が強まる。
何百回も練習した振り付けに従って、段々と前に並ぶメンバーが左右にずれていく。目の前のジウンが捌けた時、私の視界は一気に開けた。
「(わぁ...)」
声が漏れ出なくて良かった。
目の前に広がった景色は、光の海だった。
ペンライトが鮮やかに暗い客席を照らし、観客の熱い視線を全身に感じる。
目を凝らすと観客一人一人の顔がよく見え、私の名前を掲げた人もチラホラ目に入った。
音に合わせて体は自然に動くけれど、頭の中は目の前の光景でいっぱいだ。
集中しろって怒られてしまうかもしれない。
それでも、私は今この景色を目に灼きつけておきたかった。
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すいみ(プロフ) - ぴさん» コメントありがとうございます🫶💕 一気読みして頂けたなんて嬉しい限りです🥰更新頑張ります！！ (6月12日 21時) (
レス) id: d55745dbd9 (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - きゃーーーーー！！てんかいがーーーー！！ハンビンーーーー！！！きゃーーー！ここまで一気見しちゃいましたーーー！！！続きが…早く…気になります…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ(語彙力) (6月12日 0時) (レス) @page48 id: d5c63dc535 (このIDを非表示/違反報告)
すいみ(プロフ) - なのこ5546さん» 嬉しいコメントありがとうございます😭💕 とっても励みになります！中々進まないですが見守って頂けたら嬉しいです🫶 (5月23日 22時) (レス) id: 3559a141aa (このIDを非表示/違反報告)
なのこ5546(プロフ) - 最新話の主人公ちゃんがスンと冷え切った感じ最高です！！重すぎないシリアス展開好きなのでワクワクしながら読んじゃいました（笑）更新は大変だと思いますが頑張って下さい！応援しています💓 (5月23日 20時) (レス) @page30 id: 2327b9d39c (このIDを非表示/違反報告)
すいみ(プロフ) - 本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好きさん» 嬉しいコメントありがとうございます🥰ご指摘のところ完全に書き忘れており、最新のはユジン目線です💦お伝えいただき助かりました、ありがとうございます🫧 (5月20日 19時) (レス) id: 3559a141aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すいみ | 作成日時：2023年5月3日 15時
