今日:22 hit、昨日:9 hit、合計:2,596 hit
小｜中｜大
ep.37 ページ37
.
「泣いてても、こんなに可愛い。
もう、どうなってんねん」
「またそうやって、からかう……」
わたしが少し笑いながらそう言うと、
突然真剣な眼差しになる小瀧くん。
「からかってへんよ。
ほんまに、可愛すぎてどうしたらええかわからへん」
頬に触れていた小瀧くんの指が、
わたしの右手に移動したかと思うと、
するりと絡む指先。
なんでだろう。
手と手が触れているだけなのに。
なんだか、胸の奥が熱くなって
その熱がわたしの体全体をも熱くする。
少し照れて俯いていると、
「なあ、Aちゃん。
俺とここから抜け出さへん?」
突然、小瀧くんがそんなことを言い出す。
でも、その言葉に
「……うん。どこか、連れてって」
素直に頷いてしまう自分がいた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：えり | 作成日時：2017年9月19日 22時
