今日:6 hit、昨日:2 hit、合計:2,571 hit
小｜中｜大
ep.34 ページ34
.
次の日、その次の日は土日で学校が休みだった。
二日ともどこにも行かず、食事もろくに喉を通らず
一睡もできない状態だった。
そんな状態になっても、涙が止まることがなかった。
……月曜日。
学校なんて、行きたくない。
でも、生前のおばあちゃんには「学校へはちゃんと行きなさい」
と常々言われていた。
おばあちゃんの言いつけだけは、ちゃんと守りたい。
「……おばあちゃん、行ってくるね」
仏壇の前で手を合わせて、おばあちゃんに挨拶してから
家を出た。
.
「A。おはよう。
…………A?」
学校に行く途中。
凜ちゃんが心配そうな顔で、わたしに挨拶する。
「……凜ちゃん。」
「顔色悪いじゃない……どうしたの……?」
凜ちゃんがそう言ってわたしの頭を撫でる。
「凜ちゃん……あのね……わたし……っ」
あれ?どうしてかな?
この二日間で、嫌ってほど涙を流したのに。
凜ちゃんの優しい声を聞いただけで、
また涙が溢れてくる。
「A……大変だったんだね。
落ち着いたらでいいから。今は何も言わなくていい」
泣き虫なわたしに、理由も聞かず寄り添ってくれる凜ちゃんは
やっぱり大人だ。
そんな凜ちゃんに腕を引かれながら、
なんとか学校までたどり着いた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：えり | 作成日時：2017年9月19日 22時
