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そんな背景もあり、2人は久しぶりに会話に花を咲かせた。
今日の宿題の話、花咲の後ろの席の霧野が休み時間にうたた寝をしていた話、担任の先生の奥さんがそろそろ出産するらしい話、など、他愛も無いものからクスッと笑えるものまで。
しばらく話せていなかった時間を埋めるように、たくさんの話をした。
ふと、神童は花咲の足元に置かれた植木鉢に視線を落とす。
「これ運ぶのか？手伝うよ」
「えっ、いいよいいよ！土とかついてるし、制服が汚れちゃうよ」
「構わない。それに、1人で持つのは大変だろ？」
「それはそうだけど…あっ、じゃあこれ！」
そう言って彼女は店頭横にかけてあった紺色のエプロンを手に取り、神童へ差し出した。
制服がよごれないように、との配慮だろう。
とはいえ、エプロンをしていても袖先などに土がついている彼女を見ると、気休めにしかならなそうではあるが。
だが、神童はありがたく受け取った。
折角なら汚れる面積はできる限り減らしたい。
「ちょっと大きいな、これ」
「あはは、お父さんのだから…」
「え、いいのか？借りてしまって…」
「ちょっとくらいなら大丈夫！お父さん今奥でレジを閉じてるし、こういう力仕事は私の仕事だから！」
ふん、とそう言って上腕二頭筋を見せるようなポーズをする花咲。残念ながらそこに筋肉はお世辞にも微塵も存在していないが、この場では彼女が先輩だ。
神童は微笑ましさも感じて、花咲に頑張ろうな、と声をかけ、指示通りに植木鉢を運び始めた
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作者名：エリザベス四世 | 作成日時：2023年6月25日 20時
