【企画】クラッシュ【小説】 (ページ8)

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石をも喰らうページ8

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色んな意味で夢主が気持ち悪い。本当に気持ち悪い。それでも良いならgo

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平凡な昼下がりだった。ニュースを見て、おやつを食べて、洗濯物をしまって、一時間ほど昼寝して、サイタマとジェノスから買い物に行こうと誘われて、A市のデパートでセールがやってたからそれに突っ込んで戦利品をゲットして、ホクホクとした気分で戦利品を抱えて三人で帰路を歩いていた

そこまでは良かったんだ。そこまでは。歩いていたら突然、隣を歩いていたサイタマのツルツルの頭部に手のひらサイズの石ころが投げつけられて、頭に当たって、地面に落ちた。カランと、まるでラムネ瓶の中に閉じ込められているビー玉のように音を立てて。その一部始終を見ていたジェノスは周りを歩く人達に向かって「誰だ石を投げたのは」と怒鳴りつけたけど、何故か私はそんな気になれなかった

その、地面に落ちた石ころから目が離せなくて。瞬き一つせずにその石ころをジーッと見つめていた。流石に瞬き一つせずに石ころを見つめている私に気付いたのかサイタマが「大丈夫か?」と駆け寄ってきた。うん、大丈夫と答えて未だサイタマに石を投げ付けた犯人を探しているジェノスに目を向ける。物凄い怒り様だ。恐らくジェノスは今石ころに付いていた指紋を分析して、その指紋の人物をサーチアイで探しているのだろう。でも見つからないということは、その犯人は石ころを投げた直後この場から逃げ出したに違いない

ふと、私は何気なくその石ころに手を伸ばし、手に取った。とても小さい。こんな物ではサイタマを傷つける事など100%不可能だろう。神の肉体を持ったサイタマからしてこの石ころは砂粒にも等しい。……今サイタマは未だ犯人を探しているジェノスを止めに私から離れている。……今なら、いけるだろうか

私は、その手に持っている小さな石ころを、宙に投げて、口で受け止め、ゴクリと飲み込んだ

……うん、石ころが胃に落ちて行こうとするにつれて食道に痛みが走る。でも、これで良いのだ。サイタマが触れた物は全て愛おしい。地面でも、例え今飲み込んだ石ころでも

嗚呼、我ながら気持ち悪いな。サイタマを失いたくない、守りたいという思いが、こんなにも歪んでしまうとは。でも、これでいい、これがいい。今のままでも、私は充分幸せだ。サイタマが手にしたものを全て体内に仕舞えば、サイタマを身近に感じることが出来るから

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