【ワンパンマン】セーラーガール【女主】 (ページ32)

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「……なぁにが正義執行だ」

ドスの効いた声でAは呟きタンクトップタイガーとタンクトップブラックホールの攻撃の手を受け止める。突然のAの参上に、サイタマもタンクトップタイガーもタンクトップブラックホールも周りの群衆も目をぱちくりさせていた

「なぁにが粛清だ。他人を蹴落とさなければ順位を上げられないくせに」

ずしりとタンクトップタイガーのガラ空きになっていた腹部にAの強烈な蹴りが炸裂し、タンクトップタイガーは悲鳴をあげながら瓦礫の山に吹き飛んだ

「なっ、貴様弟に何をっ……!?」
「うるさい怪力だけしか能の無い馬鹿野郎が」

Aはタンクトップブラックホールの右腕、そしてタンクトップを掴みそのまま彼を背中からコンクリートの地面に叩きつけた。世に言う背負い投げである。突然の背負い投げに対応できなかったタンクトップブラックホールは強く頭を打ち付けてしまったせいで目の前に無数の星がチカチカと舞った

Aのタンクトップタイガーとタンクトップブラックホールに対する仕打ちに人々は目を見開き声を出せずにいた。何故A級ヒーローのセーラーガールが彼等にあんな仕打ちを……

「A……おま……」

背中に隠したサイタマが小さく声をかけ、その声に反応しAはサイタマに振り向く

「怪我、無い?」
「まぁねぇけど……わざわざお前が手を挙げなくても……」
「こうしなきゃあいつら静かにならないじゃん」
「お前、大人気ねぇなぁ……」
「お前もな」

ぼそぼそと小さな声で会話していると、中学生だと思われる女の子が瓦礫の山の上からAに向かって声を投げ掛けた

「セーラーガールさんっ、何で……何でそんなやつ庇うんですか!?そいつは詐欺師なんですよ!?」
「そっ、そうだ……そいつのせいで俺の家は壊れたんだ!!」
「そうよそうよ!責任取りなさいよ!!」

中学生を始めて、次々と人々がAとサイタマに暴言をぶつけていく。まあ、暴言をぶつけられているのはサイタマなのだが……

サイタマはうるせぇなぁ……と呟きながら首筋をぽりぽりと掻き、Aを見上げる。そして気づいた。Aの首筋から頬に駆けて大きな青筋が浮かんでいる事に。まずい、そう思った時にはもう遅くて