【オリジナル】EREMENT 番外編 (ページ43)

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文スト×EREMENT　時雨目線ページ43

――目を覚ましたら路地裏にいた――

杏に魔法を試されてここに飛ばされてきたのだが
頭が痛い…飛ばされたときのものか？
ここは港のようで
港にある倉庫同士に挟まれた建物の間に壁に寄り掛かっていた
海がきれいだ…ここは港町のようだが
一体どこなんだか…

？「おい、そこで何してる」

時雨「…気が付いたらここで寝ていた
それだけだ」

？「んなところで寝る奴なんかいないだろ
家とかないのかよ」

時雨「あぁ、家なら遠くにある
…！そうだ…！
おい、俺みたいにほかに女の子が寝てなかったか！？」

？「あぁ！？いきなり何言ってんだ
大体、ここではマフィアが蔓延ってる裏町だ
そんなのいたら俺の耳にも入ってる」

時雨「…じゃ、いないのか…」

？「…お前、何者だ
その腰の奴、刀だろ」

時雨「あぁ、そういうお前は素人には分からないが
銃を持ってるな、だが、一丁だけ
俺の仲間なら二丁は持ってるけどな」

？「お前もマフィアか？」

時雨「マフィア？荒くれ者のことか？
違う違う、そういう面倒なことはしない」

？「訳が分からねぇな…
とにかく、俺がお前を見つけた以上
ここで何を見たか知らねぇが何か見てるなら殺さねぇとな？」

時雨「…ﾆﾔｯ)おっ？やるか？
言っておくが、銃は効かないぜ
弾丸はどんな速さでもはじく！」

？「…ハッ、銃は使わねぇよ
異能力―汚れつちまった悲しみに…」

時雨「…！」

わずかな地面のへこみに気付いた俺はすぐにその場から離れると
一気に地面が何か空から落ちて来たかのようにへこんだ
なんだこれ…異能力と言っていたが…

？「よく避けたな」

時雨「てめぇ、異能力ってなんだ！
今のはなんだ！」

？「異能力も分からねぇのか？
…お前、ここがどこかわかるか？」

時雨「…知らない、港町なのはわかるが…」

？「…記憶喪失…でもなさそうだな
仲間がいるって言ってたしよ…」

時雨「…おい」

？「…俺は中也、中原中也だ」

時雨「…中也、お前はマフィアというやつなのか？
…異能力とやらはへこんだのを見て何か操ったのか？」

中也「下の名前呼びかよ…
俺は、重力操作系の異能力者だ
何も知らないのを見るとこの街のことも俺たちのことも知らないみたいだな
それに…お前のその反応の良さ、気に入った」

時雨「…そりゃどーも」

中也「よし、来い
ポートマフィアのところへ」

時雨「…俺の仲間は？」

中也「あとで見つければいいだろ
この街にいると思うぜ」