≪バレンタイン≫チョコをあなたに 「2016」 2 ページ18
琥珀「ふぉー…ええ雰囲気…」
あ「(呉羽もあんな顔するんだ…
あんなに柔らかく笑う呉羽…見たことないかも)」
それほど好きな人の前では変わるんだ…
きっと時雨も…
じゃあ私は…?
あ「…あはは いないじゃん…」
琥珀「――! ね? 君も…あれ?
どこ行っちゃったんだろ…」
呉羽「そこで何してるんですか…」
琥珀「ゲッ!」
黄色い扉を出てきて今度は
天井やあたりの壁を見渡してみる
そこかしこに扉がある
ピンクだったり、黒だったりと
でも、いろんな色があるのに
しばらく見ていて気付いた
あ「赤がない」
バレンタインというのは色で表現すれば
ピンクだが、私は赤も入ってると思っていた…が
どこみても、赤い扉はなかった
あ「…はぁ」
出るすべもなく
ただその場にいるしかなかった
バレンタインが影響してるのは確かだ
だが、自分にそんな人はいない
それも悲しくなってくるわけで
あ「なんか腹が立つイベントだな…」
思っていると、見覚えのない
白と黒の扉が目の前に出てきた
また誰かの恋イベントだろうと思って
入ってみるとそこは天界だった
あ「天界…?」
?「…よし、誰もいないね…
ハデス!」
ハデス「ちょ…ミルカーナ…
大声上げないでよ 周りにばれるって…」
ミルカーナ「大丈夫だって!
それよりこれあげるよ」
ハデス「わ…これあれだ!
人間が好きな…ば…ば…」
ミル「パウンドケーキだよ
ばじゃないし…」
ハデス「そっそうだね ごめんごめん…」
ミル「人間にはバレンタインっていう
特別な日があってね
好きな異性の人にチョコやケーキを渡すの
これで恋人になれるんだよ」
ハデス「へぇ…でも、僕たちにはもういらないよね」
ミル「え」
ハデス「だって、もう恋人だし…
一応…両想い…だしね?」
ミル「! そっそれもそうだね…」
あ「…あー…確かに
神様の時の私だったらあったね うん…
まっ、別にいなくたって生きて行けるし!
私は別に……」
むなしい気持ちになりながらも
ドアをまた抜けると
その先にいたのはげっそりしていたクロウの姿
あっ(察し)
あ「あんたも…」
クロウ「! なんだ同じかよ…
時雨も呉羽も…まったく気分が悪くなるよな
独り身にはよ」
あ「ほんとだよね…」
クロウ「なんかわかんないけどもらった」
あ「…もうチョコは見飽きた」
クロウ「仕方ねぇだろ…
なんか…無数にチョコを作ってるやつがいてよ…」
あ「誰それ…」
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