No,79 ページ33
「はぁぁ!?この後ってどういうことよ!!?」
『いやもう、そのままの意味で...』
「じゃなくて!!どうしてもっと早く言わないのよ!!?」
どんどんヒートアップする園子ちゃんを止めに入る蘭ちゃんと梓さん。
「でも、どうしてまた急に」
園子ちゃんをホールドしながら蘭ちゃんが尋ねてくる。
『...どうしても、時間が空いちゃうと考えるから_それで自分が決めた事に揺らいだりしたくないから、かな』
私の理由を聞いて園子ちゃんは大人しくなった。
店内に静寂が漂う。
「飛行機の時間、大丈夫?」
梓さんに聞かれ、時計に目をやる。
『もう、あんまりないですね。他に行く所もあるので』
「そっか...じゃあ、最後に一ついい?」
蘭ちゃんの質問に耳を澄ませる。
「Aちゃんは安室さんにフランスに行く事伝えた?」
『...ううん、言ってない。元々言うつもりはなかったから』
「言わずに居なくなるって事?」
まぁ、そうなるよね。
『その時は、よろしく伝えて下さい』
梓さんに向き直りながらお願いする。
『蘭ちゃんも、コナン君によろしく伝えてもらえる...?』
「うん、伝えとく」
『...本当に今までありがとう。梓さんの料理、美味しかったです』
「こちらこそ、ありがとう。また食べに来てね」
『はい、勿論です!それと、蘭ちゃん、園子ちゃん、あの時、声...掛けてくれてありがとね』
三人には感謝しか溢れてこない。
本当に生きている中で会えて良かった。
「あたしたちも、Aと友達になれて良かった。ありがとう」
しばらく皆で感謝し合っていた。
『よし!!私、そろそろ行くね』
弾かれるように席を立つと三人が見送りをすると言って付いてきてくれた。
「Aちゃんなら大丈夫だよ」
「友達沢山作るんだよ」
「ご飯食べて、しっかり寝てね」
『なんだかお母さんみたい』
私を心配したり励ましてくれるのが凄く嬉しかった。
深呼吸をして頭を勢い良く下げる。
『今までありがとうございました』
ポアロに
蘭ちゃんに
園子ちゃんに
梓さんに
ここには居ないコナン君と安室さんに。
「「「行ってらっしゃい」」」
三人の明るい声で送り出される私はなんて幸せ者だろう。
『行ってきます!!』
だから私も、最後ぐらいは最高の笑顔で別れたい。
私は踵を返し、再びコンクリートの上を駆けていった。
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SuiSei - メアリエナさん» コメントありがとうございます!!嬉しいお言葉を頂き恐れ多いです。ここまで読んで下さりありがとうございます。 (2018年8月29日 21時) (レス) id: 67fcc70434 (このIDを非表示/違反報告)
メアリエナ(プロフ) - 思わぬ完結に驚きました。切ないけど、それだけじゃない終わり方、尊敬します。もうちょっとで泣きそうでした(笑) いい作品をありがとうございました。 (2018年8月29日 21時) (レス) id: 1d139961bb (このIDを非表示/違反報告)
SuiSei - *ひな*さん» コメントありがとうございます。正直自分自身、これで良かったのかと思う部分もありましたが、嬉しいコメントを頂き自信が持てました。ここまで読んで下さりありがとうございました。 (2018年8月27日 21時) (レス) id: 67fcc70434 (このIDを非表示/違反報告)
*ひな* - 最後とか切な過ぎて涙だばーっです。ほんとに。あぁ、、、マジ泣けた… (2018年8月27日 14時) (レス) id: 966379f9ef (このIDを非表示/違反報告)
SuiSei - 椿さん» とても嬉しい誉め言葉ありがとうございます!!とても励みになります。これからも更新頑張ります!! (2018年8月19日 18時) (レス) id: 67fcc70434 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SuiSei | 作成日時:2018年8月11日 8時