No,60 降谷side ページ14
「風見、どういう事か詳しく説明してくれ」
責めている訳じゃない。ただ知りたいだけ。
「先程僕は降谷さんに連絡を入れたんです。一度目は何度鳴らしても出なかったので諦めましたが。ですが二回目で...」
「まさか、女...が出たのか?」
「...はい」
風見が重々しく口を開く。
「降谷さんが出るとばかり思っていて、降谷さんの名前と警察庁をうっかり滑らせてしまって...」
恐らく電話に出たのはAだろう。
頭が切れるタイプかは分からないが、「警察庁警備局警備企画課」というワードで公安だと知られているかもしれない。
いや、でも待てよ。
「風見、俺はその子に本名は教えてないんだ」
「...あっ!確か彼女もそう言ってました」
「もしかしたら気付いていないかもしれない。知られてない事を祈ろう」
国の安全と秩序を守るため。
そう付け加えて。
「本当にすみませんでした」
「謝らなくていい。不可抗力だったんだ、仕方ない」
彼女に知らない所で巻き込む訳にはいかない。
「...はい、はい。ではまた後で。呼び出してくれればいつでも迎えに行きます」
「ああ、よろしく頼む」
画面をタップして電話を切る。
風見がすぐにでも車を出すと申し出てくれたが、彼女に用があるからと言って今は断った。
不可抗力なんだ、全て。
仕方のない事だ。
そう、仕方ない...
あの時だって...
♪〜♪〜
何処からか美しい旋律が聴こえる。
俺は引き寄せられるようにして音のする部屋へ歩いていった。
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SuiSei - メアリエナさん» コメントありがとうございます!!嬉しいお言葉を頂き恐れ多いです。ここまで読んで下さりありがとうございます。 (2018年8月29日 21時) (レス) id: 67fcc70434 (このIDを非表示/違反報告)
メアリエナ(プロフ) - 思わぬ完結に驚きました。切ないけど、それだけじゃない終わり方、尊敬します。もうちょっとで泣きそうでした(笑) いい作品をありがとうございました。 (2018年8月29日 21時) (レス) id: 1d139961bb (このIDを非表示/違反報告)
SuiSei - *ひな*さん» コメントありがとうございます。正直自分自身、これで良かったのかと思う部分もありましたが、嬉しいコメントを頂き自信が持てました。ここまで読んで下さりありがとうございました。 (2018年8月27日 21時) (レス) id: 67fcc70434 (このIDを非表示/違反報告)
*ひな* - 最後とか切な過ぎて涙だばーっです。ほんとに。あぁ、、、マジ泣けた… (2018年8月27日 14時) (レス) id: 966379f9ef (このIDを非表示/違反報告)
SuiSei - 椿さん» とても嬉しい誉め言葉ありがとうございます!!とても励みになります。これからも更新頑張ります!! (2018年8月19日 18時) (レス) id: 67fcc70434 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SuiSei | 作成日時:2018年8月11日 8時