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涼介side
俺の身体を包み込むかの様に吹き当たる冷風。
手探りで探した毛布も見当たらず
良い加減に諦めて身体を起こした俺。
涼介「さむっ…てか俺このまま…。」
あのまま意識を失う様に眠りについたのだろう。
俺は上半身裸のまま床で眠っていた。
まともに止血もせず。
そのせいだろうか、いやそのせいだろう。
さすがに時間も経ち血は止まっていたが、
傷口が膿み完全にそこは炎症を起こしていた。
涼介「いった…、これどうすりゃ…。」
それからあまりの外傷の大きさに驚いた俺は
激しく痛む傷口をそっと押さえながら鏡の前へ。
そしてそこには目を疑う程酷い傷跡が浮かんでいた。
涼介「やばいっ…、明日レッスンなのに…。」
でも今はこの傷の痛みなんかよりも
明日のことでいっぱいいっぱいだ…。
この傷でどうバレずに明日踊り切るか…。
頭はその事だけだ…。
でも悩んだって傷が塞がるわけじゃない…。
俺は正直適切かも分からない傷薬を塗り、
傷が開かない様にしっかりと包帯を巻いた。
それから明日には少し良くなってる事を願って…、
俺は逃げる様にベットに潜り込んだ…。
+
宏太side
伊野尾「てかおまえどーした？その踊り方？」
涼介「いやっ…、昨日布団掛け忘れちゃったさ…。なんか腹の調子悪いんだよね…w」
伊野尾「ふぅ〜ん、そうなの。無理すんなよ〜」
ダンスレッスン当日。
今日も相変わらずたわいもない話が飛び散っている。
雄也「皆、そろそろやろ。」
大貴「だな、」
そしてそんなこんなで始まったダンスレッスン。
これもまたいつも通り過ぎるはずだった。
なのに、
涼介「ごめん…腹痛いわ…。トイレ行ってくる…。」
光 「おぉ、おっけ。無理すんなよ。」
涼介「わりっ…、」
今日はセンターの場所がぽっかり。
あんな青ざめるなんて相当なんだろうな、
なんて単純に考えていた。
でも、彼は違った。
侑李「ばか、誤魔化せるとでも思ったの？」
涼介「はっ…？」
侑李「は、じゃない。早くお腹見せて。」
裕翔「ちぃ…何言って…。」
侑李「ずっと横で踊ってたんだもん。分かるよ、
__黒い服でも、血が滲んでるくらい。」
知念…お前今なんて言った…。
血…んなわけ…。
でも次の瞬間確信に変わる…。
伊野尾「…、山田、垂れてるよ。」
伊野尾の視線の先にいたのは、
血が滴っている山田の姿だった。
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作者名：麗皐 | 作成日時：2020年8月29日 21時
