山田さんの病系日記そのさん。 (ページ31)

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雄也side

どんなに強く抱きしめても、

胸の中から逃げ出そうとする彼。

俺はそんな彼の顔を両手で挟みこちらを向かせた。

涼介「いやぁ…(泣)はなしてぇ…(泣)」

雄也「山田、１人にさせてごめん。本当にごめん。」

涼介「っ…？(泣)」

雄也「怖かっただろ…、もっと早く行けばこんな事になんなかったのに…。」

涼介「ゆーや…(泣)」

雄也「さっきあんな言い方して本当にごめん…。でも、お前がいなくなって本当に胸が張り裂けそうなくらい、怖かったんだ…。本当に迷惑だったとかじゃない…。ただただ、怖かったんだ…。」

涼介「うん…(泣)」

雄也「山田だって怖かっただろ…？伊野尾くん達がいなくなって…。怖くて怖くて堪らなかっだたろ…？」

涼介「こわ…かった…(泣)」

雄也「その気持ちと一緒なんだよ…？でもお前は怪我もして、身体もボロボロで…。それであんな危ない道を１人で行ったって考えたら…。もっともっと怖かったんだ…。」

涼介「ごめな…さい…(泣)」

雄也「ううん…、でももし山田が行ってなければ、伊野尾くん達の命に関わってたのは確かなんだ…。そんな所に行ったお前はヒーローだよ。俺こそ…、１人で怖い思いさせてごめんな…。」

涼介「ゆーやぁ…(泣)」

雄也「でも、これからは１人で危ない事しないでほしいな…？残された身は死ぬ程怖い…、お前も分かるだろ…？」

涼介「うん…、」

雄也「でもお前は本当に勇敢だった…、ありがとな…。こんな姿にはなっちゃったけど…、本当に帰ってきてくれてありがとう。」

涼介「うん…(泣)」

山田の瞳からはさっきとは違う涙が溢れていた。

俺の服の中に顔を埋めて、

ゆーや、ゆーやって。

本当に帰って来てくれて良かった。

そう思っていたそんな時、

__「山田！！」

ガラガラと、

開いた扉と同時に響いた２つと特徴的な声。

振り返ってみると、

涼介「伊野尾ちゃん…！大ちゃん…！」

２人の姿があった。

伊野尾「やまだっ…！！」

そして伊野尾くんはそう叫ぶと、

山田を押し倒す様な勢いで彼を強く抱きしめた。

涼介「ちょ…、ちゃん…w」

もちろんこんな事させたら、

少し笑いを求めてるのかと思い山田は小さく笑う。

でも、

伊野尾くんは違った。

伊野尾「やまだっ…、本当本当ごめん…、でもありがと…。」

くりっとした目にたっくさんの涙を溜めいたんだ。