私は ページ11
聞いたこともない低い声の後、彼は私を抱き寄せ「大丈夫？」と優しい声で聞く。
「ちゃ、ちゃいますやん、鬱の兄さん…」
そう言い訳するコネシマ。
「大先生なんでここにおんの…？」
シャオロンも少し焦りながら聞いてくる。
「あ？ あー、そうや。Aちゃん」
そう言って私の正面に立つ鬱。
「俺、他の女とは別れてん。だからAちゃん、俺のこと捨てんといて」
腕を軽く掴んでそう聞いてくる彼。
少し目がうるんでいるような気もする。
「…ふふ、あははは！」
その様子がおかしくて笑ってしまう。
笑われたことで彼は目を丸くする。
「そのセリフ似合わな！ 捨てるもなにも、私、鬱が逃げても追いかけるくらい好きやし、ずっと鬱のことしか見てへんで？」
「え、でも」と不安そうにいう彼。
「まさか噂を信じたん？ ほんまにもう…」
そう言って、自分の涙を拭い、彼の顔を掴んだ。
「好きだよ。初めて会った時からずっと。鬱は違う？」
彼は私の手に手を被せる。
「俺も初めて会った時から好き」
それを聞くと私はニコッと笑い、鬱の顔から手を離す。
近くに置いておいた鞄から箱を取り出し、その箱からネックレスを取り出す。
青と銀色のネックレス。
彼が一ヶ月記念にくれたもの──と同じものだ。
呆けている彼の首にネックレスをつけ、自分の胸元からネックレスを引っ張り出す。
「二ヶ月記念。おそろにしたの」
そう、今日はちょうど付き合って二ヶ月。
彼はこの日のために他の彼女と別れ、私はネックレスを用意した。
「大好きだよ、鬱」
「俺も大好きだよ、Aちゃん」
終わり
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あす(プロフ) - るてらさん» ありがとうございます！愛されることはあっても、愛したことがない主人公ちゃんが、たとえ“二番目”でも良いから（浮気されてもさにも言わない）好きでいる…そんな子にかけたので満足です！ご観覧ありがとうございました！ (2021年6月7日 21時) (
レス) id: e7b30c122b (このIDを非表示/違反報告)
るてら(プロフ) - やばいですめっちゃ面白いです…！！主人公ちゃんいいキャラしてて読んでてとても楽しかったです。素敵な作品をありがとうございました！ (2021年6月7日 19時) (レス) id: 2b4c9cae83 (このIDを非表示/違反報告)
あす(プロフ) - 白蛇ちゃんさん» ありがとうございます！その言葉めっちゃ嬉しいです…！！！ (2021年6月7日 12時) (レス) id: e7b30c122b (このIDを非表示/違反報告)
白蛇ちゃん(プロフ) - もっと伸びてくれ…！ (2021年6月7日 7時) (レス) id: 22f29c1e3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あす | 作成日時：2021年6月2日 21時
