恋愛対象外だったはずの同期と再会したら、色気MAXになってた件。【諸伏景光】

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『その、こ、これは……』



私と景光くんの間に流れる今世紀最大の気まずさ。



まさか景光くん本人に聞かれてしまうなんて思いもしなかった。



それに、そんな傷ついたような顔をされると噂の信憑性が高まっちゃうわけで＿＿＿



あれ、もしかしなくても私、景光くんを振っちゃった＿＿＿……？



私と友人が何も言えないでいると、景光くんが口を開いた。

ごめん、と。

いつものような明るさを纏わせた声で。



「聞くつもりはなかったんだ…ごめん」

『っ、あ……』

「あとコーヒーもごめんね。ボーっとして、落としちゃった」



いつも通りの優しい笑顔なのに、纏う空気から悲しさが溢れ出している。



ちょ……待って。本当にそんなつもりはなかったんだって!!!!



神様、なんでこんな急に気まずくならないといけないわけ……!!??



でも私からごめんと謝ったら、それこそ彼の精一杯の気遣いを潰してしまう気がした。



だから。



私は缶コーヒーを拾い、景光くんの方へズカズカと歩いていき＿＿＿乱暴にそれを押し付けた。



『景光くん!!!』

「は、はいっ！」

『私、景光くんは恋愛対象外だからそういうことでよろしく!!!!』



言い放つと、彼の言葉を待たずにその場から駆け出した。



友人が呼び止めるが、振り向くことなんかできない。



＿＿＿ごめん景光くん、あんな悪女じみたこと言って。



とにかく噂が本当なら私のことなんか嫌いになって、いい出会いを探してください!!!

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