恋愛対象外だったはずの同期と再会したら、色気MAXになってた件。【諸伏景光】

じけん ページ24

『えっ、リアナちゃんのお父さんがいない？』

「あぁ。文化祭自体には来てるらしいんだけど、今はどこにもいなくて…」



料理教室で使った道具を片付けながら景光くんは暗い顔で告げた。



『さ、探しにいかないと！』

「じゃあオレは最上階から探してくから、Aちゃんは下からお願いできる？安室にはリアナちゃんの相手を頼んでる」

『わかった』



景光くんの言葉に頷いて、私は調理室から抜け出した。



料理教室は大成功で、誰も怪我することなく終えることができた。

私も子供たちのサポートをしながら楽しんでいたんだけど…。



教室に参加していた女の子・籠石 理杏菜( かごいし りあな)ちゃんのお父さんがどこにもいないというのだ。



料理教室は今、作った料理を食べる時間で児童は親と一緒に食べるのを楽しんでいる。

周りが親と楽しんでいる中自分だけ一人なリアナちゃんはきっと心細いだろう。早くお父さんを見つけなくちゃ。



そういえば犯行予告みたいなのも来ていたし、何もないといいんだけど……。



『って、これ……』



私はピタリと足をとめた。

目の前にあるのは、立ち入り禁止の部屋の扉。



扉の前には段ボールが積み重なっているのだが＿＿＿＿



『…これ、なんか変』



一番下に積まれてる段ボールは、今日の料理教室で使う材料が入っていたもの。準備を手伝ったからよく覚えている。

それに対して上に積まれてるのは、とある配達業者の段ボール。



この段ボールに書かれている業者のロゴ………1年前に変わらなかったっけ？

今はこれに書かれているロゴでなくて、新しいロゴが使われているはずだ。



つまり、この業者の段ボールが料理教室用のものの上に来てるのは不自然なんじゃ…？

・→←ひさしぶり

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す