恋愛対象外だったはずの同期と再会したら、色気MAXになってた件。【諸伏景光】

ひさしぶり ページ23

景光くんが私の家に来た日から、一週間が経った。



つまり、今日は帝丹小学校の文化祭。

景光くんや降谷くんが働くポアロが開催する、料理体験がある日だ。



『………ってなわけでよろしくね、安室サン(・・・・)』

「えぇよろしくお願いします、手塚さん(・・・・)」



営業スマイル合戦をする私たちを見て、景光くんは「あはは…」と苦笑いをする。



降谷くん、いや安室さんは周りに誰もいないことを確認し、私の耳元で話し出した。



「久しぶりだな、A」

『久しぶり、降谷くん。また生きて会えて良かったよ』

「あぁ、本当にな」

『それにしても潜入中の降谷くん、いいキャラしてるねぇ』



私の言葉に降谷くんは顔をしかめ、「どういう意味だ」と言いながらデコピンしてきた。

もちろん手加減してくれたんだろうけど、だいぶヒリヒリするし痛い。



『降谷くんさいってー……地味に痛いんですけど…』

「君が余計なことを言うからだろ…」

「まぁまぁゼロにAちゃんも落ち着いて！もうそろそろ子供たちが来るんだし！」

『えっと確か……3年生の子たちだよね』



私がお邪魔させてもらってるのは3年生の子たちの体験。

ポアロで働いてる梓さんのいう方の代わりに来ている。

梓さんは2年生の方を担当しているらしい。



「それにしてもAは大丈夫なのか？料理は得意でなかったイメージが…」

『おっしゃる通りではあるんだけど、一応練習したし大丈夫。でも料理ではあまりでしゃばらないつもり。子供たちのサポートや器具の出し入れにまわるよ』

「あ、それとAちゃん。潜入中の身だからオレたちのことは偽名で呼んでね」

『うん、わかった。安室さんと緑川さんね』



ずっと昔から知っていてたくさん名前を呼んできている人を、今更別の名前で呼ぶって変な感じ。



違和感はあるけど、これはこれで楽しいかもしれない。



私はこっそりと微笑んだのだった。

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