みつけたこたえ ページ42
『ちょっともう……びっくりしたじゃん!景光くんさいてー!』
涙目で景光くんを睨むも、彼はくすくすと笑うだけ。
「そんな顔で睨まれても可愛いだけなんだけどな…」
あのさ…、と言葉を続けた彼は、再び私に顔を近づける。
私の視界には景光くんしか映っていなくて、思わず硬直してしまう。
『な、何…?』
「この前の続き、聞かせて欲しいんだけど」
『っ………や、やだ!言ってやんない!』
目の前にいる景光くんはやっぱり色気が溢れ出していて直視できない。
私ばっかり振り回されているのが悔しくて、無駄な意地を張ってしまう。こんなことしたって意味ないのに。
「じゃあ質問変えるね」
『う、うん…』
「俺のこと、まだ恋愛対象外?」
“___私、景光くんは恋愛対象外だからそういうことでよろしく!“
7年前景光くんに放った言葉。
そのときの景光くんの泣きそうな顔。
改めて告白してくれたときの真剣な顔。
『じゃあ私のことオトしてよ』と言ったときの照れた赤い顔。
私は彼のことが恋愛対象外____のはずだった。
なのに再会したら、世の中の女性を虜にしてしまうような色気を纏わせた人に変わっていて。
私のこと散々振り回して、赤くさせて。
でもその優しさや真剣さは変わっていなくて、警察学校時代に彼に心を救われてたことを思い出して。
そしてまた、助けられて。
『そんなわけ、ないじゃん』
震える声で言葉を紡ぐ。
今、伝えなければ。
『恋愛対象外なんかじゃない。ていうか対象外どころか____好きになっちゃってたし!!』
あぁもうホント、景光くんはズルい。
『好きだよ、景光くん。私も、愛してる。ずっと一緒にいたいって思ってる』
言いたいことを全て言い終えて、恥ずかしさでうつむこうとする。
しかし景光くんに頬を触れられ阻止された。
「ちゃんとこっち見て、」
『だ、だって…』
「照れてるAちゃんも可愛いよ」
そして景光くんは言う。
嬉しそうに目を細めて、綺麗な笑顔で。
「何度でも言うけど、オレAちゃんが好き。オレと付き合ってください」
『っ……ば、ばか…っ』
言葉とは裏腹に私は嬉しくって嬉しくって何度も頷く。
そして、そっと彼に抱きしめられた。
「離さないから、覚悟しておいて」
『い、言われなくてもそのつもりだから…』
あぁもうかっこよすぎだよ、ばか!
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くるみ(プロフ) - とっても面白かったです (10月6日 0時) (レス) @page47 id: dd662f3c96 (このIDを非表示/違反報告)
Rei(プロフ) - はじめまして、景光くんの優しさや真面目さが大好きなので、景光くんの一途な思いに凄くときめきました。素敵な作品をありがとうございます。 (2022年9月21日 3時) (レス) @page47 id: 8f97d5546c (このIDを非表示/違反報告)
江良(プロフ) - 足軽さん» コメントありがとうございます!大好きだなんて嬉しいです…!このお話が栄養剤になるなんて光栄です(笑)疲労をほぐして頑張ってくださいー! (2022年8月28日 15時) (レス) id: 37f133a8ec (このIDを非表示/違反報告)
足軽(プロフ) - 大好きすぎます………栄養剤になりますありがとうございます………疲労によく効く…… (2022年8月28日 15時) (レス) @page1 id: 762e6989c9 (このIDを非表示/違反報告)
江良(プロフ) - 田舎ママさん» コメントありがとうございます!素敵だなんて…!めちゃくちゃ嬉しいです!こちらこそ最後まで読んでいただきありがとうございました! (2022年8月19日 12時) (レス) id: 1888b997ab (このIDを非表示/違反報告)
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