7話:幻聴 ページ9
ここに入れられてどのくらいたったんだろう……。
一日?
二日?
それとも三日?
あ『……御主人様』
もう何度目かも分からない呼びかけ。当然返事はない。
もう時間の感覚も分からないよ。
地下室の隅にある水道の水で命を繋いできた。
だけど、そろそろ限界。
頭が朦朧としてきた。
空腹で頭がおかしくなりそう。
……そういえばここに入れられるのも何度目だろう。
外にコッソリでようとしたときも、すごく怒られてここに入れられた。
ロシアは私の身を守るためだと言っていたけど……。
それなら、アメリカさんと食事をしたのは悪いこと?
ロシアの口づけを拒んだことも悪いこと?
今までは……いや、昨日までははっきりと正しいと答えることができただろう。でも……。
あ『……分からない。分からないよぅ……。アメリカさん……』
・
・
ロシ「……A。起きているかい?」
意識を何度か離したところで、ロシアの声が聞こえてきた。
目を開けるとそこには温かそうなご飯の載ったお皿を持ったロシアの姿があった。
体を引きずりながら、近寄っていくと、ロシアはしゃがみ込んでこう言った。
ロシ「……A。ちゃんと反省できたかな」
地下室から出して貰えるとき、いつも聞かれる質問。
これに素直に返事をしなければ、出してもらえない。もちろんご飯ももらえない。
しかし、私は返事をするのを躊躇ってしまった。
ロシ「どうしたの?」
ご飯……。美味しそうなご飯……。
欲しい……。
あ『……心から反省しております。……申し訳ありませんでした』
ロシ「そうだね。よりによってアメリカ君に関わるなんて。もうしないでね?君のこと一番愛してるのは僕なんだから。ね?」
あ『はい、その通りです。私も御主人様を一番愛しております』
・
・
またロシアの手でご飯を食べさせてもらい、私は部屋に帰った。
あ『…ひっくっ。えぐっ……』
涙がぼろぼろとこぼれる。
今、私は自分自身を裏切ったんだ。卑しい欲に我を忘れて……。
違う。私は……。私は……。
あ『……アメリカさんが……好きなんです』
・
・
・
「俺もAのこと好きだぞ」
どこからか……。
幻聴が聞こえた気がした。
31人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヘタリア」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
咲(プロフ) - 勇者をたたえてここに表彰状を贈る さー様 miho様 おめでとうござi((ナポリタントルネード!!! ぐおふっ! (2011年10月20日 23時) (レス) id: 638ce0c5ce (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - ゴムってwwwwwwwwwwwwwミミズグミ!? (2011年10月11日 8時) (レス) id: 92c85bdaba (このIDを非表示/違反報告)
ねこうさぎ - www面白いです頑張って (2011年10月10日 18時) (レス) id: 6a13455e63 (このIDを非表示/違反報告)
miho:男と女の中間にいる生物 - 私は噂のサルミアッキを喰った。口に広がるゴムの味・。・・ (2011年10月8日 8時) (レス) id: 9512d7a2b0 (このIDを非表示/違反報告)
さー - お☆ひ☆さ☆!!あんまりこれなくてI`m sorryだよ>< 俺はメリカ産のミミズグミ食った・・・。蛍光色の食べ物は伝説ではなかったっ・・・ぐはぁ!! (2011年10月3日 17時) (レス) id: 89e47f1aef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:羽菜 | 作成日時:2011年7月26日 23時