その名を呼ぶには素直でなさすぎる【宗＊紅郎成り】 千果様リク ページ27
昔から気にくわないやつがいた
いつからなどと覚えてすらいない
産まれる前どころか太古の昔から気にいらないように思えた
夕暮れの赤に染まる廊下
いつもならそのまま通り過ぎていただろう
しかし廊下の壁に寄りかかり、浅く呼吸をしている鬼龍を見つけてしまった
「貴様…体調を崩しているのか」
気がつけば、口がそう動いていた
僕が近づいていることに気づかなかったのか、鬼龍は目を見開き
「ハハッ…バレたか…」
ギクリと効果音のつきそうな、それでいてなんとも苦しそうな顔をした
額に手を当ててみると案の定、平熱とは思えないほど熱かった
にも関わらず、鬼龍はそれを他人事のように「まいったな」と苦笑いする
これだから…これだからこいつは…
「そういうところだ」
「…え」
「僕が君を気にいらない理由はそういうところだと言っている！」
自分でも考えられないくらい大きな声が出た
「いつもそうやって抱えこんで無茶ばかりする！辛いならば『辛い』、体調が悪いなら『休む』…そう言えばいいだろう！」
僕の大声が珍しいのだろう。彼女はひどく驚いていた
「昔からだ…昔からずっと自分が頑張ればいいと思っている。勘違いも甚だしい！」
「な、なに言ってるんだよ…私は別に無茶なんて…」
中学のときよりも少しピアスが減った耳をそっと触る
「その無茶のせいで君の耳にいくつ穴があいたと思っている」
と言えば確信を突かれたのか、何も言わなくなった
いつもそうだ
出会ったときから変わっていない
「その姿はとても滑稽だ。さっさと保健室で休め」
そして僕は彼女の腕を肩に回した
「運んでくれるのか…ありがとな…」
「そうでもしないと君は休まないだろう」
「ハハッ…いつかのときとは逆になっちまったな…」
「黙るのだよ」
まったく気にくわない…
必死に鍛えて男よりも強くあろうとしたところも全てを妹優先にするところも、ピアスも…
「僕は自分を大切にできない君がとても気にくわないのだよ」
保健室のベッドで熟睡しているAの頭を撫でながら呟く
「絶対に守ってやるという約束は君がいてこそ成立する約束だろう」
撫でられたのが気持ちよかったのか、わずかにAの口元が緩んだ
ああ…だから君は気にくわない
けれど、君を嫌いにもなれない
本人には決して言ってやらないがな
りゅ〜ちゃん
喉元まで出かかったそれを呑みこんだ
Never say never 【零＊晃牙成り】(過去編) 凪様リク→←落とされた蛇は落とせない【泉＊レオ成り】 レイン(白桜)様リク
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ユウ(プロフ) - とてもドキドキしました! リクエストで、北鷹北斗成り代わりと日々樹渉のお話をお願いします!! (2022年12月1日 20時) (
レス) @page35 id: 31932c1fef (このIDを非表示/違反報告)
袋フクロウ(プロフ) - 御幣島愛笑さん» かしこまりました。リクありがとうございます。完成までしばしお待ちください。 (2019年4月2日 22時) (レス) id: 2a48de6964 (このIDを非表示/違反報告)
御幣島愛笑(プロフ) - 旧valkyrieで二兎なずなの成り代わりが見たいです。 (2019年4月2日 18時) (レス) id: 37a1716821 (このIDを非表示/違反報告)
袋フクロウ(プロフ) - 富士急愛好家さん» お返事が遅れ申し訳ありません。リク承りました。ありがとうございます！ (2019年4月2日 0時) (レス) id: 2a48de6964 (このIDを非表示/違反報告)
袋フクロウ(プロフ) - mmymrmmmさん» お気遣いありがとうございます。身の回りがひと段落しましたので、更新再開いたします。ご安心ください。 (2019年4月2日 0時) (レス) id: 2a48de6964 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：袋フクロウ | 作成日時：2016年6月3日 23時
