英雄と少女

13 ページ16

新しく入ってくる子が少なかったからね

ちょっとわくわくしてその子のところに行ったんだよ！

...でも

コアフリ「しょうかいするよ、この子が新しいメンバー、Aだよ！」

その子からはなんの感情も感じなかった

最初はただ感情の起伏が少ない子なのかな？ぐらいしか思ってなかったんだよ？

でも、いくら近づいても自己紹介しても、誰に話しかけられても全くAちゃんの感情を感

知できなかったんだ

おかしいな、と思って見ていたら

クルッ

Aちゃんと目が合った

びっくりしたよ

まさか見られているだけなのに、ニンゲンの女の子が気配を察知して気づくなんて

その目は綺麗で、神秘的で、吸い込まれそうで...

思わず目を逸らしちゃったんだ

あんなの3歳くらいの女の子がする目じゃなかったから

僕がその事について考え込んでいても

＊ドリームおにいさん どうしたの？

鋭い子だな、こんな事にも気づくなんて

ドリーム「あ、あぁ、なんでもないよ」

Aちゃんはやっぱりあの相変わらず吸い込まれそうな目で僕のことを見つめていた

なんだかじっと見ていたら心の内を全て知られてしまいそうで、僕はまた逃げるように視線を逸らしてしま

った

Aちゃん、見た感じ静かな子なのかな？ぐらいにしか思わないけど...

ひょっとしてインクと同じで感情がないとか？

でもそんな様子はなかったけどな？

というかなんか忘れてるような...


...あ

ドリーム「あ゛っ！そういえば仕事があるんだった！急がないと！」


いけない！忘れるところだった！

ドリーム「じゃあ僕は仕事があるからそろそろ行かなきゃ！またね？」

そ言った途端なんとも言えない沈黙が流れた







...






＊"バイバイ"

ドキッとした、あんなの子供ができる顔じゃなかったから

Aちゃんは、悲しそうな、寂しそうな、切ない顔でそう言った

ヴォン

ポータルに入りながら考えた

どうして君はまたねじゃなく"バイバイ"と返したの？

まるでこれが最後になるみたいに

...どうしてそんな顔をしたの？

今にも消えてしまいそうで

ヴォン

僕はそんなことを考えながらポータルを閉じた

Aちゃん、君は今、何を考えているの？

14→←12

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す