episode5 ページ5
ザーー…
オンライン上でゲームが出来なくなってから3日ほど経った。
新しいゲームをやってみようと色々試すもどれもピンとこない
オンライン上でしかコミュニケーションを取っていなかったのでホンジスとは連絡が途絶えた
ゲーム内でも優しく頼りになる人でイベントも順調に順位を上げていたのに…
ユイ:殺人事件の犯人、ゲーム内の運営にいるかもだって
プレイしていなかったユイもさすがに大々的にメディアで事件が報道されてからは興味を示した。
今や世間からは殺人ゲームと言われている
「はー…」
ユイ:ホンジスのこと気にならないの？
「…良い人だけど人って簡単に信用しない方がいいよ。」
何それと笑うユイ。
無理もない、私とは大学からの付き合い。
そもそも私の事情を知る人なんてこの大学にはいない、地方から来たんだから
一人暮らしをするのは正直両親は良い顔をしなかった
高校生の時、1年近くの間。
ストーカー行為をされたことがある
犯人は未だに分からない、誰なのかすらも
ユイ:にしても雨やばいなあ…
「…だねー」
一番恐怖に感じたこと。
毎日誰かに見られて、つけられている
家の中にいても視線を感じる
それが私の行き過ぎた妄想ならよかったのに
真冬のアルバイトの帰り道。
怖くないようにと音楽を聴きながら帰っていた
ストーカーなんていない、つけられてなどいないと自分の中で思い込みたかったんだと思う
だけどそれが間違いだった。
人通りの少ない路地で声を出す瞬間もなかった
後ろから制服の襟を掴まれ口元を手で押さえられその場に押し倒された
馬乗りの状態でずっと顔を触られた
抵抗する力もない、ただ恐怖で怯えて声も出ない
マスク越しでも伝わる粗く乱れた呼吸は今でも思い出す
人が通りかかる前に男はどこかへ行ってしまった
フードを被りマスクをしていたので顔は分からない
暗闇で背格好も分からない
防犯カメラも設置されていない場所で証拠は何もなかった
警察に何を言っても取り合ってはくれなかった
むしろ夜中で一人で歩く君が悪いとまで言われた
それまでは私も社交的な方で初対面の人にもにこにこと話しかけていた
だけどそれがいけなかったのか
私が悪かったのか。
その日を境にストーカーは現れなくなった
だけどその日から私の人生は一変した
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作者名：やっこちゃん
| 作成日時：2020年9月16日 18時
