モノローグ ページ6
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逆の立場で考えてみて、と角名くんに言われ、角名くんが告白されたとき私はどうするのかを考えてみる。
……。
「…確かに聞きたいわ」
「でしょ、同じようなことだよ」
ぽつりと頭に浮かんだのは田沢くんに告白された角名くん。いやちゃうねんそういう意味ちゃうんやろうけど!!!適役が思いつかんかっただけで!!!!!
・・仮に。
仮に、そういうことが起きたらそりゃまぁ聞きたくもなるわ、という結論に至った。
「ほんまに聞くかは別としてやけどな」
特に田沢くんが角名くんに、の場合は。聞かんと思うけど。思うけど!!!
「まぁそういうことだからさ、いいじゃん、誰にも言わないし」
角名くんほんまに引く気ないんやなあ……そろそろ私折れそうなんやけど。
「ね?」
ね?ちゃうわ、とツッコむ気力すら奪われかけている。
短いため息が合図のようなもので、あの日のあの数分を思い出しながら話し始める。
流れる映像は、古い映画みたいにモノクロで。
「・・好きっていうのがあんまりわからへんからって断ったら、返事はいつでもいいって言われたんよ」
好きとか、嫌いとか。
そういう単純な区別はつくけれど、
たぶん求められてるのはそういうんじゃないんやろうな、って分かって。
めっちゃ仲良し、みたいな、そんな関係ちゃうくて、むしろ真逆で。
でもひしひしと伝わってくるその表情に、押されるように
『考えてください』と言われて『うん』と返した。
好きと嫌いと、また別の好きのことを知ってるんやなって、少しだけ、羨ましく感じた。
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_私の話を聞き終わった角名くんは、好奇心が満たされたようなというよりは、どちらかといえば“へえー”といったような表情で。
「じゃあ今は保留ってこと?」
「……うん、そやね」
なにその間、と笑われて、なんなんやろこの間、と笑った。
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知らないことを見つけるのって、どうすればいいんやろう。
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作者名:沖司ハナ | 作成日時:2018年5月27日 23時