検索窓
今日:5 hit、昨日:12 hit、合計:20,328 hit

心配 ページ27

.




それから話は少し盛り上がり、トイレットペーパー談義をしていたら私がもたれかかっていた扉が動いた。



「間に合った!?!セーフ!!!」



―と同時に、宮の声がほんまに真後ろから聞こえた。
ほんまの真後ろでびっくりしたわ。



「…は…?A…?」


なんで、とポツリ。
零してから、宮くんのほうを睨んだ。


「サムお前がなんか言うたんやろ!」

「言うてへん」

「いやその顔絶対言うとるやつやん!その顔!!」

「まぁまぁいいじゃんなんでも、それより準備しないと」



適当にその辺座ってて、と言って角名くんは行ってしまった。
あと角名くんに仲裁された、ケンカになりかけやった宮たちも。



ポツンと一人その場に残される。
このあと、どこでどうしとったらええんやろ。


運動部の部活見学なんてしたことないんやけど。
ボールとか転がってきたらどうするべきなんかなあ、なんて色々その場でつっ立って悩んでいれば、そのうち舞台側のほうに十数人が集まった。



「今日は大学の入試説明で三年は来るん遅いから――」



顧問の先生らしき人の説明が入り口側に立っている私の耳にも届く。
さすが体育会系。声量がすごい。



ゥアッス!!みたいな挨拶?のあと、体育倉庫やら準備室からたくさんのボールが出されて、時間を区切ってサーブやレシーブやアタックの練習をしている。


私は文化系やからあんまスポーツに詳しくないねんけど、それでもただの授業やただの部活とはべつもんやって分かる。
強豪や。



.




―しばらくして笛が鳴った。

「休憩ー!」


ふと時計を見れば一時間なんて優に過ぎていて、ボールの音、この場所にだいぶ惹きつけられとったんやなあと感じる。



そうして、キュッキュッ、と体育館シューズで歩いたとき特有の音が近づいてきたかと思えば、宮やった。



さっきまでは忘れてたのに、宮の顔を見たら、やけに。
思い出してやけに心配になった。



私の名前を呼んだあの表情が、あの声が、
なんで、と吐かれた言葉が迷惑やと言うてるわけではありませんように、なんて、





.

gradient→←冗談、うそやで


ラッキーナンバー

8


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (31 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
51人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー!! , 稲荷崎   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:沖司ハナ | 作成日時:2018年5月27日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。