not alone ページ21
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炎色反応の実験のときと、年に四回ほどの天体観測のときのみ参加。
ザ、幽霊部員、イズノットアローン。
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「なんで行かへんの？」
「…うーん、」
「…って、さすがに聞かんわ」
･･様子見や、試した、みたいな。そう感じた。
ほんまのところを言ってしまいそうになった。
…まあ、べつに言うてもろくな理由ちゃうからどっちでもよかったんやけど、聞かんといてくれてよかった。謎の安心感があった。
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「宮は、部活人間って感じやでな」
かるーく。ふと脳裏を掠めたのはスーパー人間とかいう最近の書籍。
スーパーが好きな話なんか、スーパーの店員の話なんか、内容は全く知らんけど“部活人間”なんて言葉は宮にピッタリやと思った。
やけど宮はそうでもないふうにかるーく返す。
「俺やってたまには行きたくない日もあるで？」
うそやん、と言ってしまいそうになった。なったけど、もしかするとほんまのことかもしらんから、一応。
なんも言わんとこ。
「なんなん、その顔」
「…いやなんもない」
「意味深やなぁ」
なんも言わんとこ、って表情やし。…とも言えず、私は宮に便乗してかるく笑った。
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―科学部のことを思い出したのは久しぶりではなく、毎日毎日、放課後がくるたびに考えてしまう。
その奥底にはたぶん無理やりな安心みたいなんがあって、炎色反応の実験の、あの炎を最初に見たときに感じた緊張を覆い隠しとる…んやと思う。
それは、頭の中で宮の顔とバレーボールがパッと横に並べられたときにも、湧いて出る。
じわじわと。
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作者名：沖司ハナ
| 作成日時：2018年5月27日 23時
